古墳時代の生活
ページ番号1030990 更新日 2024年3月14日
市域の西南部に展開する垂水南遺跡の発掘調査の成果から、低地での人々くらしを再現しています。
東海・近江~吉備・山陰からの搬入土器や農耕・玉作り・金属器生産に関連する出土品は人々の活発な交流や産業の様子を示しています。
「絵」が描かれた土器
この甕(かめ)には、肩部に2ヵ所、「絵」がヘラ状の工具で描かれています。古墳時代の土器には絵が描かれることはほとんどなく、珍しいものです。一方は摩滅して不明ですが、もう一方は「盾」を簡素に表現しているようです。
通常甕に付着しているすすが全くみられないことから、この甕はマツリなどの特殊な用途が考えられます。
韓式系土器
高さ14.6cm、口径13.7cmの深鉢形の軟質土器で、朝鮮半島の伽耶地域に形態的に類似する土器の出土例が多くみられます。体部外面には格子状の叩きが施され、部分的にすすが付着し、煮沸用の土器です。直径7.4cmの底部はほとんど調整されず、その外面に1辺5cmの正方形の突線があり、轆轤を使用して製作したことを示しています。
破砕・熔解された銅鏡
復元直径27.8cmの大型のほう(注1)製方格規矩鏡の外縁・外区の部分とみられます。湾曲し、一部が黒く変化していて、高温度の熱を受けたと思われ、破砕した鏡を熔解する途中のものと考えられます。出土地は垂水神社東南の丘陵裾部で、付近に銅の溶解施設の存在が予想できます。古墳時代前期の銅の鋳造については不明な点が多く、その実態を示す貴重な資料です。(垂水遺跡出土)
