古墳とその出土品
ページ番号1030989 更新日 2024年3月14日
古墳時代に屈指の大須恵器生産地帯であった市域の古墳は、大半が6~7世紀頃に築かれた後期古墳です。なかでも吉志部古墳は横穴式石室が現存する市内で唯一の古墳です。また、須恵器生産と深く関わる陶棺は市内では11箇所で出土しています。
吉志部古墳
吉志部古墳(1号墳)の副葬品
古墳の発見当時、石室はすでに半壊していましたが、残存した床面にはいくつかの副葬品が残されていました。須恵器は完形の杯身が1点ありましたが、他は破片で長頸壺2点、壺1点、はそう(注1)1点です。さらに須恵器窯の窯壁片が熔着した甕破片があり、須恵器生産地帯の一画にある、この古墳の性格をよく表しています。その他に鉄刀子1点、鉄鏃1点、ガラス玉3点があり、また、鉄釘があることから木棺が埋納されていたと思われます。
陶棺の世界
市内で出土した陶棺
市内には11ヵ所の陶棺の出土地があります。陶棺とは焼き物の棺のことで、その形態には亀甲形と屋根形があり、焼き方も土師質と須恵質に分けられます。吹田では様々なタイプの陶棺がありますが、須恵器窯跡からの出土や須恵器の製作手法を用いながら、土師質に焼き上げるなど、古墳時代に須恵器の一大生産地帯であった吹田の様相をよく示しています。