神崎川の大遺跡

ページ番号1030992 更新日 2024年3月14日

写真:神崎川の大遺跡

南吹田5丁目の五反島遺跡の実態を発掘調査の出土品によって解説しています。特に平安時代前期にこの地で行われた川の祭祀に関連する資料は重要です。また、検出された古代堤防を移築展示しています。

古墳時代

栓をしたはそう

写真:栓をしたはそう

河道IVから出土した初期須恵器です。口縁部を意図的に壊して木製(スギ材)の栓をしています。また、胴部の円孔は木片で塞がれていて、容器として使われていたようです。
はそう(注1)が栓をした状態で出土することは極めて珍しく、はそうの用途を知るうえで貴重なものです。同様の例として、堺市四ツ池遺跡出土の大型はそうの胴部円孔に木製の栓をしたものがあります。

はそう
注1:はそう

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古代祭祀

瑞花鳳凰麒麟さん猊文鏡

写真:銅鏡

直径16.6cmの銅鏡で、銅質は良好です。鏡背の文様に、鈕を中心に左右に鳳凰、上に麒麟、下にさんげい(注1)を配しており、中国唐代に同じ文様の鏡が作られています。
鏡は河岸に立てかけられるように出土し、河中に投棄された状態を示していました。鉄鏃、刀子、鎌、鋤先、カマドとともに神崎川で行われた祭祀に使われたと考えられています。

さんげい
注1:さんげい

鉄地黒漆塗壺鐙

写真:壺鐙

平安時代前期の壺鐙(つぼあぶみ)で、兵庫鎖(ひょうごぐさり)が付属し、外面に黒漆が塗布されています。五反島遺跡で検出された馬具はこの壺鐙のみですが、装着用の金具である鉸具(かこ)(注1)が2点出土していることから、本来は鞍がセットになっていた可能性もあります。


鉄鏃

写真:鉄鏃

五反島遺跡では少なくとも15本以上の鉄鏃が出土しています。いずれもやや大型で、鳴鏑のつく雁又式の矢や猪の目状の透かしのあるものなど装飾性に冨み、実戦用ではなく、川辺の祭祀で用いられた祭祀具と考えられます。水走遺跡(東大阪市)や長岡京跡などの8世紀後半の出土例と形態がよく似ています。

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