職人の姿
ページ番号1030997 更新日 2024年3月14日
江戸時代には農業技術を発達させた要因に道具の改良・工夫があげられます。鉄製の刃と木製の柄からできた鍬・鋤・鎌などは、鍛冶屋と樫木屋の双方で製作されました。農業の発展にはこうした職人の存在を見逃すわけにはいきません。
樫木屋
樫木屋は堅い樫の木などを鋸、鉋、
チョンノを使って加工し柄などを製作しました。
鉋(かんな)
鍬の柄や風呂(ホロ)の仕上げなどに様々な鉋は用いられます。
テチョンノ・タテチョンノ
テチョンノ、タテチョンノで風呂(ホロ)鍬の柄や風呂(ホロ)の形を整えます。
縦挽鋸
丸太を縦に挽きます
鍬のできるまで
風呂(ホロ)鍬の製作工程
注:図版は、調査結果をもとに、不明な点を「鍬柄の工程」「平鍬の工程」(大宮守人稿「樫木屋の製作用具」『奈良県立民俗博物館研究紀要』第3号昭和54年3月所収)及び「平鍬の製作工程」「平鍬の柄の製作工程」(印南敏秀稿「南山城の樫木屋」『民具研究』第75号昭和63年5月所収)を参考にし作製した。
鍛冶屋
農具を作る鍛冶屋はノカジと呼ばれ、火を起こして鉄を打ち延ばしたり、砥いだりして鉄製品を製作しました。
フイゴ
把手を押し引きし、炉に風を送り、火力を強めます。
大鎚・相鎚
親方が大鎚、弟子が相鎚を持って向き合い、金床の上においた熱された鉄を打ちのばし、形を整えます。
金箸
焼きを入れて熱した鉄をはさみます。
仕事始めの作り物
新年の仕事始めには、親方は鎌の刃と蔵の鍵を模したものを作り、作業場の柱に打ち付けます。
銑の使用法
鎌などの刃を研ぎ、ハガネを出す、仕上げには銑を用います。