吹田くわいがお正月料理になるまで〔市報すいた 令和7年(2025年)1月号〕
ページ番号1037368 更新日 2024年12月27日
芽が出る、めでたいことから、縁起物としてお正月の祝い料理に欠かせない「くわい」。「吹田くわい」がお正月料理になるまでの成長過程や、栽培や普及をきっかけに生まれる交流の輪や取り組みなどを紹介します。◆問い合わせ/シティプロモーション推進室(電話6318-6371 ファックス6384-1292)。
吹田くわいは、府が認証する「なにわの伝統野菜」にも選ばれている市の特産品。江戸時代発祥とされ、かつては川辺や田んぼに自生していましたが、宅地開発や除草剤の影響で徐々に減少し、絶滅の危機に。その後、吹田くわい保存会や農家、市民のみなさんの努力により少しずつ保存と普及が進んでいます。一般的なくわいより小粒で、甘味があるのが特徴です。吹田市イメージキャラクター「すいたん」のモチーフにもなっています。
4月 芽出し
成長しやすいように、植え付ける前に芽出しします。吹田くわいのイモを水の中に入れるだけ。昨年の堀り残しが自然に芽生えたものを使うことも。10日前後で芽が出ます。
5月 市内各所で植え付け
芽や根を折らないように注意して、後で浮いてこないようにしっかり土に植えます。
南千里(まるたす広場)
千里金蘭大学などの協力のもと、バケツへの植え付けを実施。100人の市民が参加。植え付けたバケツは持ち帰り、それぞれの家で育てます。
江坂(平野ファーム)
大阪学院大学、関西大学、千里金蘭大学の学生、JA北大阪職員など総勢80人で植え付け。ほかにも、市内の複数の農家が吹田くわいの植え付けを行っています。
郵便局
市民にも身近な市内32か所の郵便局でも栽培がスタート。成長過程を見守ることで、コミュニケーションの輪も広がったそう。
6月~7月 葉が成長
葉っぱが大きくなると、ほっと一息。害虫のアブラムシが発生すると、手で取ったり水をかけたりして、茎が折れないように注意しながら守ります。矢じりのような葉っぱが特徴です。
8月 開花
下から花茎が伸びてきて、かわいい白い花が咲きます。雄花の下に雌花が咲きます。
11月~12月 葉が枯れる
葉が枯れてきたら、収穫が近づいたサイン。
11月~12月 収穫
平野ファームや市内の農家、大学など、植え付けをした市内のあちこちで収穫。
収穫を祝って、大阪学院大学では恒例の吹田くわい祭りを実施。さまざまな商品が販売されました。千里金蘭大学協力のもと開かれた吹田くわい料理教室にも、多くの市民が参加しました。
芽でたいお正月料理に!
こうして、みんなの思いが詰まったお雑煮が完成しました。
ほかにも、さまざまな取り組みが行われています
吹田くわいを味わおうプロジェクト
地元の特産品「吹田くわい」を知ってもらうため、市内在住の大阪教育大学附属池田中学校の4人組が市内企業の協力で作ったお菓子を学内で販売し、売り上げた資金で吹田くわいを購入。「くわいごはん」にして、小学校給食で600人の児童に食べてもらいました。
吹田くわいを紙芝居で発信
ストーリーも絵も自作の紙芝居で吹田くわいを広めてくれているのは、市内在住の野澤 佐和子さん。要望に応じて、イベント会場や小学校などで披露しています。
吹田くわいの商品化も
クラフトコーラやパンなど。また、大阪学院大学、関西大学の学生も吹田くわいを使った商品開発に取り組んでいます。