令和4年12月号市報すいた 市長コラム 「空間の美」

ページ番号1024901 更新日 2022年11月28日

 私の字は、いわゆる「丸文字」です。大学の同級生は「後藤の字、独特で好きやわぁ」と言ってくれていましたが、担当教授には「これ卒業論文だよ?真面目に書きなさい」と言われていました。
 当時出現したワープロはそんな私を大いに救ってくれました。同じ内容でも活字で記すと真実味が増します。以来、文字を書く=キーボードに向かう、となり一層手書きの機会が減ってしまいました。
 しかし、この立場、頻繁に芳名録を前にします。「市長なら筆ペンでスラスラ書くに違いない」というイメージ、私に限っては違うのです…。
 そんな私が毎年「生きがい書道文化会」に出展しています。毛筆に慣れないわが右手でも、先生は「市長は筋がいい!素晴らしい!」とほめてくださいます。続けて「ここの押さえと次の力強さを出せたらさらに良くなります!」と。そのYes and話法に乗り、書いては褒められ、嬉しくなってまた書いて。
 そのうち無心になり、気付くとこの私が筆で文字を、それも縦に書いているではありませんか。完成後、先生が一言「黒い墨を白い紙に入れて余白を表現するのです。余白は要白なのですよ」と。
 書くのではなく表現する。
 それはもう哲学であり生き方。ああもっと早くから始めておけばよかった…。

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