令和4年7月号市報すいた 市長コラム「腕時計 その1」

ページ番号1019282  更新日 2022年9月21日

わが父は根っからの土木系技術公務員でした。時代性もあり、とにかく効率性と機能性重視で高度経済成長期を生き抜いていました。
中学入学の際、父から入学祝をもらえることになりました。「何がいい?」と問う父に、以前から欲しかった腕時計のカタログを示し「これが欲しいねん」と伝えました。お向かいのお兄ちゃんの腕に輝く自動巻きウォッチが欲しかったのです。
「おめでとう。大切に使うんやで」父の笑顔とともに白い箱を受け取り、高鳴る気持ちを抑えながらさっそく開封。「あれ?欲しかったやつと違う。メーカーは同じやけど…(涙)」
「あぁ、欲しがってたやつの機種とムーブメント(中身)は同じやから」と父。その時計は高校卒業まで毎日、私の左手首で何かを語っていたように思います。思えばグローブも自転車もテニスラケットもシューズもこんな調子でした。機能は同じ、と。分相応と機能性、そんなところで格好をつけるな、中身を磨け、というメッセージだったのか、いや単なる節約家だったのか。亡き父のそのポリシーは私自身に、そしてまた、わが子たちの中で今も生きています。
私も大人になり、我慢させられたモヤモヤを自らの給料ですべて晴らしましたが、その喜びこそが父からの本当のプレゼントだったのかもしれません。

このページに関するお問い合わせ

総務部 秘書課
〒564-8550 大阪府吹田市泉町1丁目3番40号 (高層棟4階)
電話番号:06-6384-0196 ファクス番号:06-6384-2677
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。

ご意見をお聞かせください

このページに問題点はありましたか?(複数回答可)