市長コラム「こもれび通り」

ページ番号1018790

令和8年1月号

大人になる

 20代後半に「世の中の事はだいたい分かった」と考えていた私は、世間知らずの若造でした。こんな若造は、自分が大人になりきれていなかったことに、いつ気が付くのでしょう。
 私は、熱中していたテニス、野球、スキーで永遠に上達し続けると思い込んでいた自分から卒業したとき、「大人になった」と感じました。
 誰しも肉体は老化します。スポーツで必要な身体能力もピークを過ぎれば衰えるのは当然。しかし、実際に自分の身に起こるまで、自称アスリートの私には無縁な気がしていたのです。50歳ごろ、細かい字を読みにくくなってきた時には、いよいよ老化を実感しました。
 肉体は箱で、心はそれを間借りしている。と、私は思っています。箱は有機物、年月が経てば当然劣化します。しかし、「心」に衰えを感じるかどうかは自分しだいです。
 昨年の後半、私はいろいろとチャレンジする機会を得ました。書道展への出品、ピックルボールやゴールボールへの挑戦。和太鼓の演奏でステージに立ち、国際音楽祭でオーケストラを指揮、年末にはドイツ語で「第九」を合唱。いずれも軽い気持ちで引き受け、後に本番の高いハードルに直面し「あぁ、引き受けんといたら良かった」と逃げ出したくなることの繰り返し。
 いまだに若造感が抜けきらない私。「渋い大人」になる日は、どうやらまだ遠いようです。

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