高血圧
ページ番号1016730 更新日 2025年1月6日
高血圧の罹患者は20歳以上の日本人の2人に1人と言われており、喫煙と並んで、日本人の生活習慣病による死亡に最も大きく影響する要因です。
高血圧を放置すると自覚症状がないうちに血管の障害が進み、ある日突然、心臓病や脳卒中、腎臓病など命にかかわる重篤な病気を引き起こします。このページでは高血圧についてお伝えします。未来の血管のため、未来の自分のために、生活習慣を振り返りましょう。
高血圧とは
血圧は、心臓から押し出される血液が血管を通る時にかかる圧力のことです。
よく、血圧の”上”や”下”という言い方をしますが、上は心臓が収縮して血液を送り出したときの「収縮期血圧(最高血圧)」のこと、下は心臓が拡張したときの「拡張期血圧(最低血圧)」のことです。
高血圧とは、安静状態での血圧が、慢性的に正常値よりも高い状態のことをいいます。高血圧の状態が続くと、血管に大きな負担がかかるため、血管がボロボロになり動脈硬化を引き起こします。
高血圧の原因
日本人の高血圧の最大の原因は、食塩の摂りすぎです。
また、若年・中年の男性では、肥満が原因の高血圧も増えています。その他、飲酒、運動不足、ストレスも高血圧の原因です。
高血圧の診断
血圧は、測定場所によって診察室血圧と家庭血圧に分けられます。
病院などの診察室で測定したものが診察室血圧ですが、この診察室血圧が140/90mmHg以上が高血圧とされています。
一方、家庭で測定したものである家庭血圧の診断基準は、上記の図の基準値よりそれぞれ5~10mmHg低くなっており、135/85mmHg以上が高血圧とされています。
家庭血圧の方が安静条件で測定ができ、服薬治療中の方にとっては、薬の持続時間や効果を評価する資料にもなります。
家庭でも定期的に血圧測定を行うことで、詳細な血圧の状態を知ることが大切です。
家庭血圧の正しい測り方
- 使用する血圧計
上腕測定タイプがおすすめ - 測定のタイミング
1日2回(朝・夜)
朝:起床後1時間以内、トイレ後、朝食・服薬前
夜:寝る前、入浴や飲食の直後は避ける - 測定時のポイント
いすに座って1~2分たってから測定する
薄手のシャツであれば、巻いたままで測定してよい
カフは心臓と同じ高さで測定する
高血圧の自覚症状
高血圧は血管を傷めますが、その障害がある程度進まないと自覚症状として現れません。そのため、自覚症状がないうちに血管の障害が進み、ある日突然、心臓病や脳卒中、腎臓病など命にかかわる重篤な合併症を引き起こすのが、高血圧の怖さなのです。
臓器の障害が起きてから高血圧治療を行っても、心臓・脳・腎臓などに生じた障害が元に戻るわけではありません。自覚症状が出る前に、予防・治療をしっかりと行うことが大切です。
高血圧の合併症
高血圧状態では、血管の壁に常に強い圧力がかかっています。血管壁はその圧力に対応して次第に厚く変化し、動脈硬化が進行します。その結果、血管の弾力性が失われ、血管内部はますます狭くなり、血圧がさらに上昇するという悪循環に陥ることがあります。この悪循環が続くと、「合併症」が起こります。
血圧の影響はまず血管壁が弱い細い血管に現れるため、細い血管が多い臓器ほど早く障害されます。例えば、脳や眼(網膜)、腎臓などです。さらに高血圧が続き、太い血管の障害が起きると、脳卒中や心臓病といった重い病気が起こってしまいます。
高血圧に関連して起こる主な合併症
脳卒中
脳梗塞:血管が詰まる
脳出血・くも膜下出血:血管が破れる
心臓病
狭心症:冠動脈が狭くなり酸素不足
心筋梗塞:血管が詰まり心臓が壊死
心不全:心臓の機能が低下
腎臓病
慢性腎臓病(CKD):腎臓の機能が低下
腎不全:CKDが進行し、人工透析や腎臓移植が必要
高血圧を予防するために
高血圧は、生活習慣の改善でコントロールがしやすい病気です。高血圧を防ぐ生活習慣のポイントをまとめていますので、今日から心がけましょう。
また、高血圧は自覚症状がほとんどなく、自分では気づきにくいので、毎年健診を受けることが大切です。健診で行う心電図や眼底検査では、高血圧の長期の影響が分かることがありますので、医師から勧められた場合は必ず受けましょう。
減塩をする
減塩のポイントについては、別のページで詳しくまとめています。
次のページをご覧ください。
お酒はほどほどにする
お酒の飲みすぎは血圧を上昇させます。純アルコールに換算して、1日男性40グラム、女性20グラム以上の飲酒は生活習慣病のリスクを高めます。純アルコール20グラムの目安を知り、適切な飲酒を心がけましょう。ただし、個人差があるため、アルコールの影響を受けやすい人はより少なめにすることが望ましいです。
- 純アルコール量20グラムのめやす
適正体重を維持する
太ることによって、血圧を上げる悪玉のホルモンが分泌されます。肥満の人は、BMI(体格指数)24.9以下を目標にしましょう。目標に達しなくても、体重の3%以上の減量で血圧を下げる効果があります。
適度な運動やバランスの良い食事を心がけ、食べすぎに気を付けるとともに、毎日体重を測り、体重を管理しましょう。
適正体重の管理について、詳しくは次のリンクをご確認ください。
BMI(体格指数)=体重(キログラム)÷身長(m)÷身長(m)
標準体重:18.5~25未満
適度な運動をする
運動は、血流を良くし血圧を下げるだけでなく、体重や体脂肪の減少、血糖値を調節するインスリンの働きや脂質異常の改善などによって脳・心臓病等の発症を抑えることができます。また、ストレスの解消や認知症予防にもつながります。
高血圧治療においては、「軽強度の有酸素運動を毎日30分、または週180分以上行う」ことが勧められています。有酸素運動とは、ウォーキングやサイクリング、水泳など、軽く息がはずむ程度の、長い時間続けられる運動のことです。
高血圧の改善・予防に運動は大切ですが、中には運動を行わない方が良い方、あるいは運動をする際に慎重に行わないといけない方もいます。治療中の病気がある方は、主治医とよく相談してから運動を始めましょう。
ウォーキングのポイント
普段の生活の中でも意識して体を動かしましょう
- 近くへの移動は車を使わず歩く
- エレベーターを使わず階段で移動する
- 窓ふきや掃除機掛けなどの家事を積極的に行う
- テレビを見ながら足上げや足踏みをする
- 歯磨きをしながらかかとの上げ下げをする
など
禁煙をする
たばこを吸うと血管が収縮し、血圧が上昇します。また、たばこの煙に含まれる一酸化炭素は、血液中の酸素を減少させ、血管にダメージを与えます。
成人保健課では、禁煙治療にかかった費用の一部助成(最大1万円)や、無料の禁煙相談など、禁煙したい人をサポートする事業を行っています。詳しくは次のリンクをご確認ください。
関連リンク
減塩のコツなど、血圧についての情報がのっています。
このページに関するお問い合わせ
健康医療部 成人保健課
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