糖尿病

ページ番号1017741 更新日 2024年1月5日

吹田市では生活習慣病の発症や重症化、合併症の予防に重点をおいて国保健康診査、特定保健指導を行っておりますが、吹田市の国保健康診査を受診された方の健診データより、吹田市は糖尿病の有所見者の割合が高い傾向にあることが分かりました。糖尿病は初期にはほとんど症状はありませんが、放置すると血管が痛み、さまざまな合併症をおこし、生活の質に大きな影響を及ぼします。「糖尿病網膜症」は失明の原因となり、「糖尿病性腎症」は人工透析となる原因疾患の第1位となっています。日常生活での血糖コントロール(生活習慣の改善)、早期発見のために定期的に健診を受け、健診結果によっては継続して受診することが大切です。

このページでは糖尿病についてお伝えします。これを機会に生活習慣を振り返ってみましょう。
出典:国立研究開発法人 国立国際医療研究センター糖尿病情報センター

糖尿病とは

糖尿病は、インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。

血糖とインスリンについて

私たちが食事をすると、栄養素の一部は糖となって腸から吸収されます。寝ている間など、食事をしない時間が続くときには、主に肝臓により糖が作られています。糖はからだにとって大切であり、食事をしたときも、食事をしていないときも、常に血液中を流れ、からだのあらゆる臓器や組織へめぐります。

血液中を流れ、筋肉などの細胞までたどり着いた糖は、同じく血液中を流れていたインスリンの助けを借りて細胞に取り込まれます。取り込まれた糖は、私たちのからだが活動するためのエネルギー源となります。
インスリンは細胞のドアを開ける鍵のような役割を果たしています(図1:糖とインスリンの働き)。インスリンの働きによって細胞の前まで到着した糖は、すみやかに細胞の中に入ります。糖は血液中にあふれることなく、血液中の糖の濃度は一定の範囲におさまっています。

イラスト:正常な糖の取込み
図1:糖とインスリンの働き

「インスリンが十分に働かない」ってどういうこと?

糖尿病になるとインスリンが十分に働かず、血糖をうまく細胞に取り込めなくなるため、血液中に糖があふれてしまいます。これには、2つの原因があります。糖尿病では、この2つの原因により血糖値が高くなってしまいます。

インスリン分泌低下

インスリン(鍵)が不足していて、糖が細胞の中に入れない。糖の取込みがうまくいかない。

イラスト:インスリン分泌低下

膵臓の機能の低下により、十分なインスリンを作れなくなってしまう状態。細胞のドアを開けるためのインスリン(鍵)が不足しているので、糖が中に入れず血液中にあふれてしまう。

インスリン抵抗性

インスリン(鍵)があっても、細胞のドアのたてつけが悪いため、開きにくい。効率よく糖を取り込めない。

イラスト:インスリン抵抗性

インスリンは十分な量が作られているけれども、効果を発揮できない状態。運動不足や食べ過ぎが原因で肥満になると、インスリンが働きにくくなる。インスリン(鍵)がたくさんあっても、細胞のドアのたてつけが悪く、開けることができないため、血液中に糖があふれてしまう。

糖尿病になるとどうなる?

症状がなく糖尿病になっていることに気がついていない方も多くいます。
糖尿病では、かなり血糖値が高くなければ症状が現れません。

糖尿病の合併症

糖尿病を発症した場合でも、定期受診により、継続して血糖値をコントロールしていくことで合併症を予防できます。
しかし、自己判断で受診をしない場合や治療を中断する場合は高血糖の状態が続き、自覚症状のないまま下記のような重篤な合併症を招きます。自己判断せず、かかりつけ医の指示に従い、治療を継続しましょう。

イラスト:糖尿病の合併症

吹田市では、国民健康保険被保険者の内、糖尿病が進行し重症化しないよう糖尿病の治療を受けていない方や中断していると思われる方への受診勧奨などの取組を推進しています。

糖尿病の種類

糖尿病は、1型糖尿病、2型糖尿病、その他の特定の機序や疾患によるもの、妊娠糖尿病に分類されます。

1型糖尿病

1型糖尿病では、膵臓からインスリンがほとんど出なくなる(インスリン分泌低下)ことにより血糖値が高くなります。生きていくために、注射でインスリンを補う治療が必要になります。この状態を、インスリン依存状態といいます。

2型糖尿病

2型糖尿病は、インスリンが出にくくなったり(インスリン分泌低下)、インスリンが効きにくくなったり(インスリン抵抗性)することにより血糖値が高くなります。2型糖尿病となる原因は、遺伝的な影響に加えて、食べ過ぎ、運動不足、肥満などの環境的な影響があると言われています。すべての2型糖尿病患者の方の生活習慣に問題があるわけではありませんが、血糖値を望ましい範囲にコントロールするためには、食事や運動習慣の見直しがとても重要です。飲み薬や注射なども必要に応じて利用します。

  1型糖尿病 2型糖尿病
発症年齢 若年に多い(ただし、何歳でも発症する) 中高年に多い
症状 急激に症状が現れる 症状が現れないこともあり、気が付かないうちに進行する
体型 やせ型が多い 肥満の方が多いが、やせ型の方もいる
原因 膵臓でインスリンを作るβ細胞という細胞が壊れてしまうため、インスリンが膵臓からほとんど出なくなり、血糖値が高くなる 生活習慣や遺伝的な影響により、インスリンが出にくくなったり、インスリンが効きにくくなったりして血糖値が高くなる
治療 インスリンの注射 食事療法、運動療法、飲み薬、インスリンの注射など

その他の特定の機序や疾患によるもの

糖尿病以外の病気や、治療薬の影響で血糖値が上昇し、糖尿病を発症することがあります。

妊娠糖尿病

妊娠糖尿病とは、妊娠中に初めてわかった、まだ糖尿病には至っていない血糖の上昇をいいます。

災害時の備え

普段から、災害時に備え非常食や飲み薬を準備しておきましょう。
詳細は、下記リンク先をご覧ください。

糖尿病を予防するために

日本人の糖尿病患者の95%以上が2型糖尿病と言われ、暴飲暴食や運動不足などの生活習慣の乱れが糖尿病の主な原因となっています。
食事や運動に気をつけて、2型糖尿病を予防しましょう。

※1型糖尿病の原因とその予防については確立されていません。

糖尿病を防ぐ運動

運動は高血糖を改善して、合併症の予防にも役立ちます。定期的に長く続けることが大切ですので、楽しく続けられる運動を見つけましょう。

糖尿病に効果的な運動は有酸素運動です。有酸素運動とは、ウォーキングやサイクリング、水泳など、軽く息がはずむ程度の、長い時間続けられる運動のことです。有酸素運動は、血糖値が下がるだけでなく、インスリンの働きが活発になるなどの効果があります。

ウォーキングは膝が痛くなるという方は、膝に負担のかからない水泳を選ぶなど自分に合った運動を探しましょう。

糖尿病の予防に運動は大切ですが、中には運動を行わない方が良い方、あるいは運動をする際に慎重に行わないといけない方もいます。心臓に疾患のある方、かなり血糖の高い方、糖尿病の三大合併症が進行している方、体調が悪い方などは注意が必要です。
主治医の先生とよく相談してから運動を始めましょう。

イラスト:ウォーキング
ウォーキングのポイント

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健康医療部 成人保健課
〒564-0072 大阪府吹田市出口町19番2号(吹田市立保健センター内)
電話番号:
【成人保健担当(吹田市国民健康保険被加入者の健(検)診や保健事業を含む】 06-6339-1212
【公害・原爆担当】 06-6384-1827
ファクス番号:06-6339-7075
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