令和7年度 施政方針と当初予算案〔市報すいた 令和7年(2025年)4月号〕

ページ番号1038428 更新日 2025年3月31日

幸せと誇りを実感できるまちへ
令和7年度 施政方針と当初予算案

 令和7年2月17日に市議会2月定例会が開会し、後藤市長が新年度の施政方針を述べるとともに、令和7年度当初予算案を提案しました。要約して紹介します。

◆問い合わせ/企画財政室(電話6384-1632 ファックス6368-7343)

 今年は阪神・淡路大震災から30年、また戦後80年にあたります。大規模自然災害や、世界各地での武力紛争などを目にすると、私たちの暮らしと幸せをいかにして守っていくべきなのか考えさせられます。

 「人類の進歩と調和」をテーマとした1970年万国博覧会から半世紀の時を経て、再び大阪の地で日本国際博覧会が開催されます。社会はいかに進歩し、どのような調和が図られたのでしょうか。

 私たちは何を反省し、どのように転換を図らねばならないのか。この思いを胸に市政運営に取り組んでまいりました。

行政運営

 昨年、パワハラをなくし職員を守る断固とした姿勢を「ゼロハラ」として示し、取り組みを強化することを明確にしました。健全な市政運営を行うには、組織が健全でなければなりません。また、職員が外部から受けるハラスメントに対しても毅然と対応し、雇用者責任を果たしてまいります。

子育て・学び

 「吹田市の子供の教育は吹田市が責任を持つ」という覚悟を持って、「教員の働き方改革グランドデザイン」を策定しました。これにより、教員が働きがいを持って能力を発揮できる環境を整え、多様な児童・生徒一人ひとりに応じた質の高い教育の提供をめざします。

 昨年、新たに開設した教育支援教室「あるくの森」において、引き続き不登校児童・生徒の支援に取り組みます。さらに、児童館の機能強化など子供の多様な居場所づくりも進めてまいります。

 中学校の全員給食については、北大阪健康医療都市「健都」の強みを生かし、生活習慣病予防の基礎づくりにつながる給食の提供を実現する準備を進めます。

健康・福祉

 団塊の世代が全員75歳以上となる2025年を迎え、介護予防や健康づくりの重要性が増す中、実効性ある施策を推進し健康寿命のさらなる延伸を図ります。

 手話言語等促進条例の理念の下、職員が3つの手話「こんにちは」「ありがとう」「よろしくお願いします」を身につけることを第一歩とし、障がい者の情報取得、コミュニケーションの円滑化を推進するため、さまざまな取り組みを進めてまいります。

防災

 本市は、災害現場での経験を生かし、危機管理能力の強化に努め、全国トップレベルの体制を整備してまいりました。

 昨年は、地震と豪雨により甚大な被害を受けた輪島市に、復旧支援協定も締結のうえで、延べ800人を超える応援職員を送っています。大規模災害に対しては、一自治体の対応力には限界があります。市民の命をお守りするため、利他的な思いに基づく自治体間連携をさらに進めてまいります。

まちづくり

 高い都市魅力を持つ本市では住宅開発が続いています。周辺への負の影響を最小化し、より良いまちとなるよう誘導してまいります。また、土地区画整理事業や市街地再開発、公園再整備などのまちづくり事業に、将来を見据えて、着実に取り組んでまいります。

 さらに、私たちの日常を彩る文化・芸術、スポーツなどを共に楽しめる環境を大切にし、豊かな暮らしをお支えしてまいります。

結びに

 本市が各施策を迅速かつ効果的に進めることができているのも、議会をはじめ、多くのみなさまのご協力によるものと改めて感謝申し上げます。

 第4次総合計画の下、本市に住まうみなさまが日々の幸せと誇りを実感できるまちづくりに、全力を傾注します。

当初予算案

市議会2月定例会に提案した令和7年度の当初予算案です。

市議会の承認を経て、取り組みを進めます。

一般会計の歳入・歳出

 令和7年度一般会計の歳入・歳出予算の内訳です。一般会計は、福祉や教育、公共施設の建設や整備など、市の基本的な事業を担うものです。予算の総額は1804億4483万円となり、前年度に比べ5.6%、95億9621万円増加しました。

※数値は表示単位未満を四捨五入しているため、合計が合わないことがあります。

歳入

1804億4483万円

市税

40.9% 738億1534万円 市民税や固定資産税など。

国・府支出金

30.9% 556億7527万円 特定の事業に対して国・府から支出される負担金や補助金など。

譲与税・交付金・交付税

10.1% 182億6300万円 国からの地方譲与税、国・府からの各種交付金、地方交付税。

繰入金

7.0% 125億5392万円 特定の目的のために資金の積み立てを行う各基金から繰り入れるお金。

市債

5.0% 90億1780万円 市が国や銀行などから借りる長期借入金。

使用料・手数料

1.7% 30億7425万円 施設使用料や、住民票の写しの交付手数料など。

寄附金

1.4% 25億4865万円

諸収入・その他

3.0% 54億9660万円

歳出

1804億4483万円

民生費

51.7% 933億4666万円 子育て支援や高齢者、障がい者の福祉などの事業にかかる経費。

教育費

10.9% 196億64万円 小中学校などの学校教育や図書館などの社会教育にかかる経費。

土木費

10.4% 187億3453万円 公園や道路の整備、都市計画などの事業にかかる経費。

総務費

9.7% 175億1806万円 窓口業務や庁舎管理、広報などの事業にかかる経費。

衛生費

8.1% 145億7729万円 各種検診や予防接種、健康づくり、ごみ処理などの事業にかかる経費。

消防費

3.9% 70億3011万円

商工費

1.0% 18億21万円

公債費・その他

4.3% 78億3733万円 公債費は市債の返済にかかる経費。

各会計の予算額

一般会計のほかに、目的に応じて設けている会計は以下のとおりです。

特別会計

介護保険

343億3774万円、前年度比はプラス2.6%

国民健康保険

329億4328万円、前年度比はマイナス14.6%

後期高齢者医療

74億960万円、前年度比はプラス3.6%

公共用地先行取得

18億768万円、前年度比はプラス2.0%

病院事業債管理

7億6325万円、前年度比はマイナス4.0%

部落有財産

4億6294万円、前年度比はマイナス5.9%

母子父子寡婦福祉資金貸付

1億2030万円、前年度比はプラス20.2%

勤労者福祉共済

4008万円、前年度比はマイナス12.3%

企業会計

水道事業
収益的収支

事業収益は86億7805万円、前年度比はプラス1.9%

事業費用は80億1805万円、前年度比はプラス5.5%

資本的収支

収入は25億7101万円、前年度比はプラス37.7%

支出は68億3859万円、前年度比はプラス24.6%

下水道事業
収益的収支

事業収益は100億6669万円、前年度比はプラス0.2%

事業費用は96億9506万円、前年度比はプラス0.6%

資本的収支

収入は50億9291万円、前年度比はプラス43.6%

支出は75億7657万円、前年度比はプラス18.0%

主な取り組み

 令和7年度の事業として提案した中から、主なものを紹介します。金額は令和7年度の事業費。拡充する取り組みの事業費については、継続分の金額は除き、拡充分の金額のみを記載しています。Newは、令和7年度の新たな取り組み、または新たな取り組みを一部でも含む取り組みです。

(1)人権・市民自治

市民課業務の見直しに伴う新たなサービスの導入 New 1億3204万円

 市民の利便性向上、窓口での所要時間削減のため、マイナンバーカードを使って自分で証明書が発行できる「らくらく窓口証明書交付サービス」や、24時間いつでも問い合わせできるAIチャットボットを導入。また、受け付けや書類の不備確認などの定型業務は民間委託を実施。令和8年度からは、親族などが亡くなった際の市役所での手続きをワンストップで行える「おくやみコーナー」を設置。

(2)防災・防犯

衛星通信機器などの導入 New 703万円

 衛星通信が行える機器などの導入による安定した通信の確保。

避難所マネジメントシステムの導入 New 176万円

 入退所管理、避難者名簿などのデジタル化、避難所情報(設備、インフラなど)の管理など。

災害に備えたトイレ対策の拡充 3867万円

 排泄物を自動で袋に密閉する衛生的な災害用トイレの備蓄拡充、汚水の完全自己処理・再利用が可能な循環型トイレの試行導入。

(3)福祉・健康

慢性腎臓病(CKD)重症化予防事業の開始 New 154万円

 CKDのリスクが高い国保健康診査受診者に対する保健指導、受診勧奨の実施。

国民健康保険被保険者に対する脳ドック助成の開始 New 845万円

 40歳以上の国民健康保険被保険者が対象。上限2.4万円。

障がい福祉分野における仕事の魅力発信業務 New 990万円

 仕事のPRに関するコンセプト企画、パンフレットや動画コンテンツの制作、イベント実施など。

強度行動障がいがある人の受け入れ補助の創設 New 652万円

 自傷・他害のおそれがある強度行動障がいがある人を複数受け入れている事業所に上限月8万円を加算。また、施設改修費の2分の1を補助。上限50万円。

精神障がい者に対する居宅介護受け入れ補助の創設 New 696万円

 精神障がい者を11人以上受け入れている居宅介護事業所に上限月16万円を加算。

(4)子育て・学び

公立の保育園・幼稚園・児童館などに室内カメラを設置 4521万円

 安全対策として、室内カメラを設置。

児童館機能の強化、日の出町児童センターの整備 3750万円

 入退館システムの導入や同センターの備品購入など。

私立保育所などにおける保育補助者の人件費に対する補助 New 1億7626万円

 1施設当たり上限月54万2500円。

私立保育所などにおける人材確保支援として合同就職説明会を実施 New 104万円

 学生などの就職活動と、事業者の採用活動の支援。市内事業者との共同開催。

教員の働き方改革の推進 New 1億7563万円

 中学校部活動管理運営業務の外部委託、小学校市費専科講師の配置、校務の効率化に向けた中学校採点支援システムの導入。

不登校児童・生徒への支援の強化 3357万円

 居場所サポーターの配置校拡大、教育支援教室「あるくの森」への発達相談員の配置や教育相談員の増員。

民設民営のセンター方式による中学校全員給食の実施 New 8万円

 令和10年度の開始に向けた事業者募集など。

(5)都市形成

都市計画道路佐井寺片山高浜線(片山坂)の道路改良 New 1735万円

 無電柱化と道路再整備のための測量・予備設計の実施。

上の川周辺のまちづくり 6億4894万円

 上の川の暗きょ化による遊歩道の整備や、地域防災力向上のための道路の再整備。

都市計画道路千里丘朝日が丘線の整備 11億4975万円

 道路の拡幅整備により、円滑な車両通行の確保や、歩車道が分離した安全で快適な歩行空間の創出。

佐井寺西地区における土地区画整理事業の推進 41億5045万円

 土地区画整理事業により、これまで未整備だった都市計画道路豊中岸部線、佐井寺片山高浜線の整備と併せて、周辺のまちづくりを一体的に行い、同地区の良好な住環境の形成を推進。

(6)都市魅力

中の島公園の魅力向上 4億8201万円

 官民連携による公園やスポーツグラウンドの再整備など。

大阪・関西万博における大阪ウィークへの出展 New 400万円

 吹田だんじり祭実行委員会の西奥町地車の出展、山田地区権六おどり保存会の出演、吹田くわいのPR実施。

(7)物価高における市民生活・事業者への支援

学校給食費の保護者負担軽減 7億737万円

 小学校は半年間免除、中学校は2分の1の減額。また、食材費値上げ分を公費で負担。

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