私も家族もご近所さんも いくつになっても このまちで〔市報すいた 令和6年(2024年)7月号〕

ページ番号1035010 更新日 2024年6月28日

第9期吹田健やか年輪プラン特集vol.1

 市では、身近な地域で共にいきいきと安心・安全に暮らせるまちづくりの実現に向けて策定した同プランのもと、さまざまな取り組みを進めていきます。中でも今回は、高齢者の総合相談窓口・地域包括支援センターと、介護が必要になっても住み慣れた地域で暮らせる地域密着型サービスを紹介します。

◆問い合わせ/高齢福祉室 同プラン・地域密着型サービスについては計画グループ(電話6384-1339 ファックス6368-7348)、地域包括支援センターについては支援グループ(電話6384-1360 ファックス6368-7348)

こんなこと、気になっていませんか?

体の衰え 物忘れ

  • 階段の移動がしんどい
  • 最近、散歩で息切れする
  • 忘れっぽくなった

友達 集いの場

  • 同世代の友達がほしい
  • 地域の活動の場所が知りたい

金銭管理

  • お金の管理に自信がない
  • 最近よく通帳をなくす
  • 詐欺にあわないか心配

親の介護

  • 誰に相談すればいいか分からない
  • 親の物忘れが気になり始めた

介護予防

  • 将来のために今から介護予防したい
  • 親が引きこもりがちに。認知症が進まないか心配

高齢者が心配

  • ひとり暮らしの親が心配
  • 近所の高齢者が生活に困っている。どこに連絡すればいいか分からない

そんなときは
高齢者に関するなんでも相談窓口 地域包括支援センターへ

 同センターは、まちの高齢者に寄り添う相談役として、市内15か所に設置している行政機関です。医療・福祉・介護の専門職である保健師(看護師)・社会福祉士・主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)がチームを組み、各種相談に対して必要な支援につなげます。相談は無料。

まちの高齢者を支える地域の輪 地域包括ケアシステム

 住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括システムを構築しています。

寄せられた相談には、まちのさまざまな機関とも一緒に対応

事例紹介

息子とよく言い争いに… Aさん

息子が仕事を辞めて一緒に暮らすようになってから、「お金がない」とか「母さんしっかりしろ」とか怒られてばかりで…。今日も約束の時間を忘れてしまったし、毎日失敗ばかり。息子に怒られてもしかたがないのかしら。

医療・介護と連携し親子関係も改善

友人と一緒に地域包括支援センターに相談へ訪れたAさん。息子さんの話を聞くため「物忘れの相談をいただいたので…」という内容でセンター職員が自宅を訪問。息子さんは「同じ話の繰り返しでしんどくなり、物を投げてしまった。母のケアのため仕事を辞めたが、本当は仕事を再開したい」とのことでした。センターの提案でAさんは医療機関を受診。認知症と診断を受けたことで、デイサービスとショートステイの利用を始め、息子さん自身の時間も確保できるように。気持ちも安定し、今は「仕事を見つけて趣味の釣りにも行きたい」と就職活動をしています。

ほかにも

  • 自治会や民生・児童委員と連携しひとりで暮らす高齢者の見守り
  • 退院後、自宅で過ごしてもらえるよう、医療機関と連携
  • 警察との連携で詐欺被害を防止 など

Interview

地域包括支援センタースタッフ&利用者に聞きました

 同センターでは、保健師(看護師)・社会福祉士・主任ケアマネジャーなどがそれぞれの専門性を活かし連携しながら働いています。日ごろ、利用者や地域の専門機関とどのようにかかわっているか聞きました。また、利用者の体験談も。

ちょっとした困りごとでもぜひ

社会福祉士 廣瀬さん

 高齢者の権利が守られ、安心安全に暮らせるよう支援しています。たとえば消費者トラブルの解決などでは、判断能力が衰えてきている人に成年後見制度の紹介をするほか、高齢者虐待の早期発見や防止も主な担当です。相談ごとは高齢者本人やその家族はもちろん、地域住民のみなさん、自治会長さんなど、さまざまな人から寄せられます。また、困りごとの解決には当センターだけではなく、地域の多様な機関との連携が必要です。ちょっと困ったときにすぐ頼ってもらえ、適切な支援につなげられるように、イベントを開催するなどして、日頃から顔が見える関係づくりにも注力しています。

“あなたらしさ”を大切にサポート

保健師 小河さん

 地域の自主グループによる介護予防の体操「いきいき百歳体操」のお手伝いや、健康・認知症に関する相談対応などを担当しています。印象に残っているのは、精力的に地域活動をしてきた人からの「最近、疎外感を感じる」という相談です。地域の人への聞き取りで、約束をすぐ忘れることや妄想など、軽度認知障害の疑いのある行動が分かりました。通常は介護サービスの利用を案内しますが、その人の場合は地域貢献が日々の充実感につながると考え、何かあってもプロがフォローできる介護施設でのボランティア活動を提案。今では心身ともにいきいきとされています。これからも、みなさんに寄り添って支えていきたいです。

あなたの一声が高齢者を救う一歩に

主任ケアマネジャー 奥村さん

 主任ケアマネジャーの専門分野は、介護を必要としている人へのケアプランの作成、介護認定を受けるために必要な手続きの支援のほか、地域で働くケアマネさんへのアドバイスなど。介護・福祉に関係する人との連携が欠かせないので、コミュニケーションを密にとっています。これから夏本番ですが、昨年は「エアコンを使っていないようだけど大丈夫かな」「家の前でしんどそうにしている人が心配」など、地域の人から熱中症に関する相談が多く寄せられ、それをきっかけに必要な支援につながるケースもありました。高齢者本人だけでなく周りの人からの、ささいな気付きも、センターに教えてもらえるとうれしいです。

利用者コメント

重田さん(93歳)

 脳梗塞で入院していましたが、退院の時に、かかりつけ医が地域包括支援センターを紹介してくれました。今後の生活についてセンター職員に相談したところ、体の状態に合った介護サービスを提案してくれて、その後も、気になることなど相談にのってもらっていました。

 ある時、センター職員が勧めてくれた、いきいき百歳体操に参加。定期的に体を動かしていると、体が楽に動かせるようになり、長い距離も歩けるように。今では、センターの協力のもと自分で立ち上げたグループで、週2回自宅マンションの集会室で体操を実施し、地域の人とつながりを持ちながら楽しく暮らしています。

まずは相談 地域包括支援センター一覧

 より身近な地域で相談できるよう、市内15か所にセンターを設置しています。まずは住んでいる地域を担当するセンターへ。

◆利用方法/直接窓口か電話。自宅への訪問も行っています。

◆開所日時/平日午前9時~午後5時30分

休日・夜間の相談は高齢者サポートダイヤルへ

 看護師やケアマネジャーなど専門の相談員が高齢者やその家族からの介護・健康・医療などの相談に応じます。

フリーダイヤル0120-256594

平日午後5時30分~翌午前9時、土曜日・日曜日、祝日・休日、年末年始(12月29日~1月3日)は24時間

吹一・吹六地域包括支援センター

内本町2-2-12内本町コミュニティセンター内

電話6317-5461

◆担当地域/寿町、中の島町、西御旅町、東御旅町、内本町、元町、朝日町、川岸町、清和園町、南清和園町

吹三・東地域包括支援センター

幸町22-5ハピネスさんあい内

電話4860-8338

◆担当地域/高浜町、南高浜町、昭和町、高城町、末広町、日の出町、川園町、吹東町、幸町、南正雀、平松町、目俵町

片山地域包括支援センター

山手町1-1-1高寿園内

電話6310-7112

◆担当地域/片山町、原町2、出口町、藤が丘町、朝日が丘町、山手町、上山手町、天道町

岸部地域包括支援センター

岸部北1-24-2ウエルハウス協和内

電話6310-8626

◆担当地域/岸部北、岸部南、岸部中、岸部新町、原町1-3-4、芝田町

南吹田地域包括支援センター

穂波町21-23-103

電話6155-5114

◆担当地域/泉町、西の庄町、金田町、南金田、南吹田、穂波町

豊津・江坂地域包括支援センター

江坂町4-20-1エバーグリーン内

電話6310-9705

◆担当地域/垂水町、江坂町1~4、豊津町、江の木町、芳野町、広芝町

千里山東・佐井寺地域包括支援センター

千里山高塚2-11

電話6386-5455

◆担当地域/千里山霧が丘、千里山星が丘、千里山虹が丘、千里山月が丘、千里山松が丘、千里山高塚、千里山東、竹谷町、佐井寺、佐井寺南が丘

千里山西地域包括支援センター

千里山西1-41-15コート千里山西Ⅲ

電話6310-8060

◆担当地域/千里山西、千里山竹園、春日、円山町、江坂町5

亥の子谷地域包括支援センター

山田西1-26-20亥の子谷コミュニティセンター内

電話4864-8551

◆担当地域/山田東1、山田西1、山田南、五月が丘東、五月が丘西、五月が丘南、五月が丘北

山田地域包括支援センター

山田東2-31-5グループホームたんぽぽ内

電話6155-5089

◆担当地域/山田東2~4、山田西2~4、山田北

千里丘地域包括支援センター

長野東12-32ケア21千里丘内

電話6876-5021

◆担当地域/樫切山、山田市場、尺谷、長野東、長野西、千里丘上、千里丘中、千里丘下、千里丘西、千里丘北、新芦屋上、新芦屋下、清水、青葉丘南、青葉丘北

桃山台・竹見台地域包括支援センター

津雲台1-2-1千里ニュータウンプラザ5階

電話6873-8870

◆担当地域/津雲台1、桃山台、竹見台

佐竹台・高野台地域包括支援センター

佐竹台2-3-1青藍荘内

電話6871-2203

◆担当地域/佐竹台、高野台

古江台・青山台地域包括支援センター

古江台3-9-3シャロン千里内

電話6872-0507

◆担当地域/古江台、青山台

津雲台・藤白台地域包括支援センター

津雲台4-7-2介護老人保健施設つくも内

電話7654-5350

◆担当地域/津雲台2~7、藤白台、上山田、千里万博公園、山田丘

介護が必要になっても住み慣れた地域でいつまでも
地域密着型サービス

サービスの利用者やその家族に話を聞きました。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護(定期巡回)を利用して

Q 定期巡回って?

A 必要なタイミングで介護・看護の支援を受けられ、24時間安心して自宅で生活できるサービスです。

“毎日誰かが来てくれる安心感”

80歳代ひとり暮らし 川崎さん

 妻の他界後、ひとり暮らしになりました。思うように体を動かせなくなったのを機に、定期巡回のサービスを利用。今日みたいに大雨警報が出ている日でも、ヘルパーさんが毎日訪問してくれるし、いざというときは深夜でも対応してもらえるので安心です。

 この家は新婚のときに暮らし始めて、もう50年以上。友人知人も近所にいて、夕食がてら様子を見に来てくれたり、コーヒーを淹れに遊びに来てくれたり、みんなとの会話が日々の楽しみです。そしてなにより、妻との思い出がつまった自宅で今も生活できることに喜びを感じています。

1日の流れ 川崎さんの場合

午前6時 訪問 朝食介助

午前11時 訪問 昼食介助

午後5時30分 訪問 夕食介助

午後11時 訪問 排せつ介助

ほか、週に2日入浴介助

その他必要に応じて随時対応

“定期巡回だから”、できる支援

事業所の職員に話を聞きました。

定期巡回事業所 角田さん

こんな人に

  • 高齢でひとり暮らし
  • 一人での食事が難しい
  • 一日数回の介助が必要
  • 一日数回の服薬管理が必要 など

 定期巡回訪問では、食事、おむつ交換、服薬管理など、その人に応じて介護の面で総合的に支援します。必要に応じて看護サービスの提案も。訪問時の様子は記録しており、訪問時に転倒していたり、薬を飲んでいなかったりすることが多い場合は、より必要なサポートができるよう都度、支援内容の見直しも行います。利用者さんとの関係づくりを大切にしていて、「話しやすくてうれしい」「ありがとう」の言葉がやりがいです。

看護小規模多機能型居宅介護(看多機)を利用して

Q 看多機って?

A 施設への通いを中心に、宿泊・訪問看護・訪問介護を組み合わせて、介護と看護を一体的に受けられるサービスです。

“寝顔を見て眠りにつく幸せ”

70歳代ふたり暮らし 吉川さん

 脳梗塞で倒れた妻。退院後も「自宅で一緒に過ごしたい」と、このサービスを利用し、もうすぐ3年になります。自宅で介護といっても初心者なので、初めは暗中模索。利用先の施設で指導を受け、経験も積んだ今では、ひととおりできますが、当時は「お風呂に入れられない」と急きょ、看護師さんに訪問してもらうこともありました。訪問看護にも対応してもらえ、自分が体調を崩したときは突発的なショートステイ(宿泊)の利用も相談でき、とても助かっています。

 自宅で夫婦一緒にご飯を食べ、妻の寝顔を見て眠りにつき、ふたりで過ごせる日々に幸せを感じています。後遺症で妻はうまく言葉を発せませんが、発語のリハビリも一緒に。ひと言ふた言話せるようになったときは思わずハイタッチ、喜びを分かち合いました。これからも周りの人の力を借りながら、二人三脚で歩んでいきたいです。

1週間の流れ 吉川さんの場合

月曜日~水曜日 泊まる(ショートステイ)

木曜日・金曜日 家で過ごす

土曜日 通う(デイサービス)

日曜日 家で過ごす

体調不良などで泊まりに予定を変更することも

“看多機だから”、できる支援

事業所の職員に話を聞きました。

看多機事業所 松邨さん

こんな人に

  • 家族の介護負担を軽減したい
  • 退院したばかりで医療処置など多様なケアが必要
  • がん末期など家で最期を迎えたい など

 利用者の家族からは、介護も看護も連絡先が一本なので、「何かあっても自分であちこちに連絡しなくていい」と喜ばれるケースが多いです。また、在宅介護で難しいといわれる排せつを薬でサポートすることも可能。介護職が排せつ介助できる宿泊の日にお通じがくるよう、薬でコントロールし、家族の介護負担を軽減できるのも、看多機ならでは。家族のみなさんに「楽になった」と言ってもらえると、やっぱりうれしいですね。

ほかにも、サービスはいろいろ

地域密着型通所介護

通所施設で食事・入浴などの介護や機能訓練を日帰りで受けられます。

認知症対応型通所介護

認知症と診断された人が通所施設で食事・入浴などの介護や機能訓練を日帰りで受けられます。

小規模多機能型居宅介護

施設への通いを中心に、自宅で介護を受ける訪問、施設への宿泊のサービスを組み合わせて柔軟に受けられます。

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

認知症と診断された人が共同生活をしながら食事・入浴などの介護や機能訓練を受けられます。

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(小規模特別養護老人ホーム)

定員30人未満の特別養護老人ホームで介護や機能訓練を受けられます。

第9期吹田健やか年輪プランを策定しました

(第9期吹田市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画)

身近な地域で共にいきいきと安心・安全に暮らせるまち~ずっと吹田で、ずっと元気に

 これから3年間の高齢者の暮らしを支えるサービスや介護保険料について定める計画です。今後さらに増加が見込まれる65歳以上の人や要介護認定者に対応するため、5つの基本目標をもとに、さまざまな取り組みを進めていきます。詳しくは高齢福祉室か市ホームページで確認できます。

5つの基本目標

(1)生きがいと健康づくり・介護予防の推進

(2)地域における支援体制の充実

(3)認知症施策の推進

(4)生活支援・介護保険サービスの充実

(5)安心・安全な暮らしの充実

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