令和4年度吹田市在宅医療講演会開催報告

ページ番号1026899 更新日 2023年5月9日

家族や自分自身が長期の療養が必要となったとき、在宅療養や在宅看取りといった選択肢があることなどを知っていただくために、在宅医療の具体的な内容をテーマとした講演会を開催しました。

講演会開催概要

テーマ
人生の最期はわたしらしく~あなたに寄り添う在宅医療~
日時
令和5年3月18日(土曜)13時30分~15時30分
場所
千里ニュータウンプラザ内 千里市民センター 2階大ホール (吹田市津雲台1-2-1)
内容

基調講演
 「人生の最期はわたしらしく」 あなたに寄り添う在宅医療 

 講演者 沖代 奈央氏(おきしろ在宅クリニック 医師)

講 演
 「本人・家族が望む看取りの実現を目指して」

 講演者
 三輪 真由美氏(リード訪問看護ステーション 訪問看護認定看護師)
 菊澤 薫 氏(ケアプランセンターあす~る吹田 ケアマネジャー)

体験談 「家族の看取りから感じたこと」
 語り手 竹田 氏

参加者
146名

全体

1 基調講演「人生の最期はわたしらしく」 ~あなたに寄り添う在宅医療~

基調講演では、在宅医の役割として、病院とも協力をしながら緊急時には往診対応も行い、医療や介護の多職種と連携しながら、日々の体調管理をしていくこと、また家族の支援も大切にし、看取りの支援も行うことなどについて、実例や経験を踏まえたお話しをいただきました。

講演の結びには、

「 ご本人の希望が叶えられるように、また後悔がないよう、その人らしさを保つため、痛みや不安を和らげ、支えとなるもの(ご家族や希望など)を支えます 」

「 家にいたいなと思ったら、あきらめないで相談してみてほしい 」

「 ご本人はもちろん、ご家族にとってもかけがえのない経験となる可能性があります 」

などの言葉をいただきました。基調講演では、実際に在宅医療を提供している医師の視点から、様々な実例や経験を通じて、在宅医療の魅力を伝えていただきました。特に、在宅医の役割や在宅医療という選択肢があること、人生会議の重要性等について分かりやすく解説いただきました。

沖代先生
講演者:沖代 奈央氏(おきしろ在宅クリニック 医師)

2 講演「本人・家族が望む看取りの実現を目指して」

三輪看護師からは、訪問看護の役割について、医師とともに症状の観察を行い、医療処置や医療機器の管理、緊急時の対応をすること、また多職種と連携をしながら療養上の相談支援を行うことなどについて、具体的にお話しいただきました。また、在宅でのご本人の思いを大切にした看取り支援の実例についてもお話しいただきました。

菊澤ケアマネジャーからは、最期まで家で過ごしたいとの思いを持つ方に対して、ご本人が望む暮らしやその人らしさを大切にしたケアプランにより療養生活を支え、医療介護関係者と連携をしながら、在宅でのお看取りを支援された実例についてお話しいただけました。

いずれも、ご本人や家族が望む暮らしや最期を叶えるために、その人らしさや思いを大切した支援をされていることがよくわかりました。

講師

(左) 講演者:三輪 真由美氏(リード訪問看護ステーション 訪問看護認定看護師)

(右) 講演者: 菊澤 薫 氏 (ケアプランセンターあす~る吹田 ケアマネジャー)

3 体験談「家族の看取りから、感じたこと」

実際にご家族を自宅で看取られたご経験をお話しいただきました。

「 入院中、家に帰りたいとのご本人の希望に対して、当初、家族としては家に帰ることに漠然とした不安があったが、往診医や訪問看護師さんに相談し、在宅に向けての調整をスムーズにしていただくことができた」

「 往診医による急変時の対応や、訪問看護師さんやヘルパーさんからの支援を受け、心身ともに支えていただき、入院していた時よりも家族の負担は軽減したように思う。本人も、痛みや倦怠感が強く出たが、娘や孫との時間も持つことでき、亡くなる当日まで、家族と話すこともできたのでよかったと思っている」

「 最期が近くなった時、往診医から今後の体の変化について説明を受け、家族みんなが看取りへの心の準備ができた。最期は穏やかに家族に見守られながら旅立つことができ、家族にとっても悔いなく送ることができた」

体験談では、在宅の医療介護関係者が支えにより、在宅療養も不可能ではないこと、また、何よりご本人が望む形で最期を迎えることの大切さと、家族にとっても不安ばかりではなく、かけがえのない時間を過ごすことにつながったとのお話がとても印象的でした。

講師

語り手:竹田 氏

4 質疑応答

Q.在宅医の探し方を教えてほしい。

A.ホームページ「すいた年輪サポートなび」では、「訪問診療に対応可能な医療機関」との条件で吹田市内にある医療機関が検索できます。また、医療機関のみではなく、歯科診療所・薬局・介護サービス事業者等も含めて様々な条件で検索可能となっています。

また、入院中の場合には病院に相談することで、退院に向けた相談や在宅医の調整なども対応していただけます。

Q.在宅療養中、夜間に病状が急に悪化した時の対応が心配です。そういった時にも、往診してもらえるのでしょうか。

A.在宅医療では、夜間や休日等にも対応できる体制をとっている場合が多く、急変時の対応については事前に話し合いをしていることが一般的です。まずは在宅医や訪問看護ステーションに連絡し、病状を伝えましょう。往診が必要と判断されたときには、往診が受けられます。

※ その時の状況によって、対応は異なります。

※ 夜間や予定外の訪問には、事前に契約が必要な場合があります。

Q.介護保険について知りたい。

A.介護保険サービスを受けるには要介護・要支援認定等を受けている必要があります。市内に15か所ある地域包括支援センターや高齢福祉室では、要介護認定・要支援認定の申請や高齢者在宅福祉サービスなどのご案内ができます。

Q.もしものときに備えて、自分の情報や想いを書き留めておくノートには「延命治療を望まない」という意思表示を記載しているが、どこまで尊重してもらえるのでしょうか。

A.ノートなどに記載しておくだけではなく、その思いを周囲の家族等と共有していれば、あなたが受ける治療やケアに反映される可能性が高まります。また、「延命治療を望まない」という意思だけではなく、その考えに至るまで理由や価値観を周囲の人と繰り返し話し合い、共有しておく「人生会議」を行うことで、あなたの意思が尊重される可能性がより高まります。

Q.人生会議で具体的にどんなことを事前に考えておけばいいのかわからない。何か考える際に、参考になるものはあるのでしょうか。

A.吹田市で作成しております「大切な人とあなたの人生会議」や「わたしの思い記入シート」、「吹田市マイエンディングノート」は、事前にどのようなことを考えておけばいいのかわかりやすく記載しております。下記URLからダウンロード可能ですので、ぜひご活用ください。

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このページに関するお問い合わせ

健康医療部 保健医療総務室
〒564-0072 大阪府吹田市出口町19番3号(吹田市保健所内)
電話番号:06-6339-2225(音声ガイダンスにつながります) ファクス番号:06-6339-2058
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