ピックアップ吹田〔市報すいた 令和7年(2025年)12月号〕

ページ番号1041115 更新日 2025年11月28日

ノーベル生理学・医学賞 坂口志文さんに市長特別賞

 今年のノーベル生理学・医学賞の受賞が決定した、大阪大学特別栄誉教授の坂口志文さん(74歳)の功績を称え、10月28日に市長特別賞を贈呈しました。

 坂口さんは、免疫の反応を抑える「制御性T細胞」の存在を突き止めました。この細胞は、1型糖尿病やアレルギーなどの自己免疫疾患や、がん細胞の増殖に関係しており、坂口さんの研究は、これらの病気の新たな治療法の研究開発に活用されています。

 坂口さんは「何かに興味を持ったとき、おもしろいと感じられるようになったり結果を出したりするには時間がかかる。続ける根気が大切で、それを後押しする社会や環境であってほしい。」と話しました。また、市教育委員会が主催している「米沢富美子こども科学賞」にもふれ、「何歳になっても賞をもらうのは、うれしいこと。達成感や成功体験が次に進む活力となる。自分も、若い人を元気付けるためにできることがあれば、積極的に参加したい。」と笑顔を見せました。

ゴールボール日本代表選手による体験会を開催

 11月1日、山田市民体育館でゴールボール日本代表選手による体験会が開催され、令和6年(2024年)のパリパラリンピックで金メダルを獲得した、市出身の宮食行次選手も参加しました。

 ゴールボールは、目隠しをした状態で、鈴の入ったボールをゴールに向かって転がして得点を競うパラスポーツ。視覚に障がいがある人もない人も一緒に楽しむことができるスポーツとしても注目されています。

 当日は、老若男女が参加し、みんなでゴールボールを楽しみました。

後藤圭二の市長コラム こもれび通り

世渡り

 「世渡り上手」という言葉。下心ある要領の良さや、あからさまにご機嫌取りをする人に対しては、皮肉を込めて使いますね。

 「世渡り」の技はいつの時代も不変です。権力者の感情を害さないよう、真っ向から反論しない、プライドを傷付けない、ご機嫌を取るといった、気に入られるためのゴマスリや配慮です。

 中堅職員だった頃の話です。「後藤君、この企画はすばらしい。ただ、実施は来年度にしてくれるか」と、部長に呼び出されました。「え?なんでですか?このタイミングを逃すべきじゃありません」と反論。部長は不機嫌そうに「まぁ、いろいろあるねん」と言葉を濁します。「先延ばしにする理由が分かりません」と食い下がる私に「キミが納得せんでもええねん。今年度で退職するワシにややこしい話を持って来るな、って言うことや!」と言って、部長は企画書を裏返しました。

 「相変わらず世渡りが下手やな。仕方ないですね、って言うといたらええねん」と、別の上司から諭されました。こんな部長、そして世渡り上手な管理職にはなるまい、そう心に決めた、世渡り下手な私の忘れられない出来事です。

 その気質は今も同じですが、ハッとさせられた言葉があります。「妥協は前進するための一つの手段だ」。目的を達成するためなら時に妥協も受け入れよ。当時の自分に伝えたい言葉です。

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