「太陽の塔」が国の重要文化財に!〔市報すいた 令和7年(2025年)12月号〕
ページ番号1041113 更新日 2025年11月28日
万博記念公園のランドマークである太陽の塔が、今年の8月27日に重要文化財(建造物)に指定されました。長年多くの人に親しまれている太陽の塔の、これまでの軌跡をたどってみましょう。
◆問い合わせ/広報課(電話6384-1276 ファックス6384-7887)か文化財保護課(岸部北4 電話6338-5500 ファックス6338-9886)
太陽の塔とは
1970年に吹田市千里丘陵で開催された日本万国博覧会(大阪万博)の、テーマ館の一部として建てられた太陽の塔。高さは約70メートルで、デザインを手がけたのは芸術家の岡本太郎氏。
3つの顔
頂部は未来を象徴する「黄金の顔」、
正面は現在を象徴する「太陽の顔」、
背面は過去を象徴する「黒い太陽」を表しています。
軌跡
1969年
建設工事に着工
1970年 3月
大阪万博 開幕
太陽の塔は会場の中心であるシンボルゾーンに、お祭り広場の大屋根を貫いてそびえ立っていました。大阪万博の中心的施設としての役割を担い、多くの人が訪れ、にぎわう場になりました。
1970年 9月
大阪万博 閉幕
1975年
永久保存が決定
大阪万博閉幕後に太陽の塔は解体される予定でしたが、保存を求める声が多く永久保存されることに。
1992年~1993年
「黄金の顔」など外観の修理工事
2016年~2018年
耐震改修工事と内部展示の修理・整備
2018年
内部の一般公開を開始
「生命の樹」
内部展示でひときわ目を引く巨大で幻想的な「生命の樹」。生命の進化の過程を表現した樹の幹や枝には、アメーバなどの原生生物やクロマニョン人など、183体の模型が取り付けられています。再生可能なものはできる限り修復し、なかには大阪万博当時の面影を残そうと修復せずにそのまま展示されているものも。 ぜひ体験してみてください。
「地底の太陽」
大阪万博開催当時、太陽の塔を含むテーマ館の地下展示には第4の顔「地底の太陽」がありました。大阪万博閉幕後に行方不明となり、今でも見つかっていませんが、内部展示で復元されたものを見ることができます。
2020年
登録有形文化財(建造物)に登録
2025年
重要文化財(建造物)に指定
太陽の塔の評価
太陽の塔は、「国宝及び重要文化財(建造物)指定基準」のうち、2つのことが評価され重要文化財に指定されました。
Point1 技術的に優秀なもの
岡本太郎氏のデザインを忠実に具現化するため、学者・設計者・技術者が集結。当時の最先端技術を投入し、巨大で特異な形を実現しました。
設計には複雑な曲面を図面化するために先進的な数学的解析の手法が用いられ、建設工事には独自仕様の鋼管や、吹き付けコンクリートが使用されました。特に高い精度が求められた、大屋根と近接する腕の先や高所での作業には、熟練の職人が携わりました。
Point2 歴史的価値の高いもの
高度経済成長期の日本を象徴する大阪万博の記念碑であり、レガシーとしても貴重なものです。
圧倒的な存在感の太陽の塔は、これからも人々の心に深く印象付けられる存在となることでしょう。
information
◆ところ/吹田市千里万博記念公園
電話0570-01-1970
◆費用/大人720円、小中学生310円
※別途自然文化園・日本庭園共通入園料(大人260円、小中学生80円)が必要
太陽の塔入館と自然文化園・日本庭園共通入園料のセットチケットや、予約方法など詳しくは太陽の塔オフィシャルサイトへ。
開館時間:午前10時~午後5時。最終受け付けは午後4時30分
※太陽の塔への入館は、オフィシャルサイトより前日までの事前予約制。先着順。予約に空きがあれば、当日券を太陽の塔内部の受付カウンターで販売
◆休み/水曜日・年末年始(万博記念公園に準ずる)
※10月~11月、4月1日~5月2日は無休