市制80周年を経て、さらなる未来へ〔市報すいた令和5年(2023年)4月号〕

ページ番号1026993 更新日 2023年3月31日

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後藤市長4年間を総括し、あいさつ

市議会2月定例会の冒頭で、市長が4年間を振り返り、あいさつしました。

要約して紹介します。

 この4年間は市政の歴史の中で大きな転換期となりました。80周年を迎えた令和2年の春に中核市へと移行し、保健所を中心に、新型コロナウイルス感染症の対策に最前線で取り組んできました。

 中核市として強化された行政力、健全な財政状況は、魅力あふれるまちづくりにつながっています。継続的に人口が増加し、令和3年には政令指定都市および中核市で人口増加率が全国トップとなりました。

 本市行政の責務は、市民の安定した暮らしを保障し、健康・医療、子育て・教育、福祉、生活利便性といった強みをさらに強化すること、危機管理体制の強化を図ることです。災害やパンデミック、戦乱に翻弄される世界情勢において、日々の「当たり前の豊かさ」は絶対的なものではないと気付かされます。

 多様な市民の人権を尊重することを基本に、行政力を市民のために発揮するとの使命感を持ちチャレンジを重ねてきました。先人たちが築いてこられた基盤の上に、魅力あふれる都市が形成されています。先進的な政策を進めることができましたのも、議会をはじめ多くのみなさまのご協力によるもので、改めて敬意と感謝を申し上げます。

4年間の主な取り組み

4年間の主な取り組みについて、分野ごとに一部をピックアップして紹介します。詳細は市ホームページにPDFで掲載しています。

1 人権・市民自治

  • ウクライナ避難者を受け入れ、民間企業とも連携し支援を行いました。
  • LGBTQなど性的マイノリティの人への支援に向けた検討を進め、パートナーシップ宣誓証明制度の導入を決定しました。
  • さまざまな市民と意見交換をするため、大学生や地域住民と市長とのタウンミーティングを実施しました。
  • 公式ウェブサイトを全面リニューアルしたほか、公式LINEにセグメント配信などの機能を追加し、市民への情報共有・発信の強化を図りました。
  • 自治会加入促進等活動補助金の創設など自治会活動に対しさまざまな支援を実施し、コミュニティの活性化を図りました。

2 防災・防犯

  • 危機管理センターの新たな構築をはじめとした危機管理体制や、防災ブック・ハザードマップの全戸配布など市民、事業者との協働による地域防災力の強化を図りました。
  • 北部消防庁舎等複合施設建設工事の実施など、消防・救急体制の強化に向けた取り組みを進めました。
  • 新型コロナウイルス感染症対応のための市対策本部会議を立ち上げ、全庁を挙げて対応に取り組みました。
  • 街頭防犯カメラの大幅増設や防犯講座・啓発活動による防犯意識の向上など、誰もが安心安全に暮らせるまちをめざし、取り組みを実施しました。

3 福祉・健康

  • 保健事業と介護予防の一体的実施として、栄養・口腔・健康状態不明者を個別支援するとともに、フレイル予防などの周知・啓発を進めました。
  • 障がいの有無にかかわらず安心して暮らせるよう、障がい者相談支援センターを6か所設置するとともに、医療的ケアを要する障がい者に対する支援体制の検討を進めました。
  • 災害発生時に備え、地域支援組織との災害時要援護者支援に関する協定の締結を進めました。
  • 北大阪健康医療都市(健都)を中心に、国立循環器病研究センターなどと連携し、心不全リスクのある市民への保健指導や子供と保護者の健康支援、脳卒中軽症退院患者への支援など、産学官民連携による健康・医療のまちづくりに取り組みました。
  • 市保健所を設置し、本市一丸となって感染症対策に取り組みました。

4 子育て・学び

  • 増加する保育ニーズへの対応として保育所を整備したほか、保育士・保育所支援センターの設置などを行い、待機児童ゼロを達成しました。
  • 子ども医療費助成対象年齢の引き上げや病児・病後児保育室の新たな整備など、子供の健やかな成長を守る取り組みを行いました。
  • いじめ防止相談ツール「マモレポ」の運用を開始するなど、すいたGRE・ENスクールプロジェクトとして「いじめのない学校づくり」を推進しました。
  • 全小中学校の特別教室へのエアコン整備など、社会変化にも対応した学校教育環境づくりを進めました。
  • 中核市移行に伴いすべての教職員研修を企画・運営するなど、教職員に係るさまざまな改革を進めました。
  • 留守家庭児童育成室の業務委託拡大と業務プロセス改善を行い、放課後の居場所の充実を図りました。
  • 健都ライブラリーや地区公民館、図書館、児童センターの機能を備えた複合施設「まちなかリビング北千里」がオープンしました。
  • 電子図書の提供など、時代に合わせた新しいサービスを開始しました。

5 環境

  • 脱炭素社会への転換に向けた先進的な取り組みとして、公共施設に再生可能エネルギー比率の高い電力を導入しました。
  • 市役所本庁舎のESCO事業や公共施設の照明、街路灯のLED化など、省エネルギー化の取り組みの強化を図りました。
  • 「もったいない精神」に立ち返り、北摂7市3町と協定事業者と連携したマイバッグ持参促進キャンペーンの実施や、公共施設などへのマイボトル用給水機の設置を行いました。

6 都市形成

  • 中核市移行に伴う市独自の景観行政への取り組みとして屋外広告物ガイドラインを策定したほか、公園の魅力向上に向け、江坂公園、桃山公園でPark-PFI制度を活用した再整備を行うなど、魅力あふれる都市空間づくりを進めました。
  • 積年の難課題であった、佐井寺西土地区画整理、上の川周辺まちづくり、新八王子橋の歩道整備に着手するなど、安全・快適に暮らせるまちの実現に向けた取り組みのさらなる推進を図りました。
  • 千里丘朝日が丘線新設に着手、片山浄水所のリニューアルや雨水レベルアップ工事の推進など、道路、水道、下水道などの都市基盤に対し、「まちの固定費」として計画的に予算を投入しました。

7 都市魅力

  • 新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響下で、市内企業が事業継続、社会の変化に対応できるよう、休業要請支援金や小規模事業者応援金の支給、キャッシュレス決済ポイント還元事業の実施などの支援を行いました。
  • メイシアターや総合運動場のリニューアルなどにより、文化やスポーツに親しめる環境づくりを進めました。
  • 外国籍市民の増加を踏まえ、多文化共生ワンストップ相談センターを開設しました。
  • 市制施行80周年プロジェクト会議と連携したPRや記念誌の発行、記念事業を行いました。
  • すいたフェスタの開催、情報発信プラザ「Inforestすいた」のリニューアルなど、積極的なまちの魅力発信に取り組みました。
  • ガンバ大阪デザインのラッピングバスの運行やラッピングポストの設置、ご当地ナンバープレートの導入など、ガンバ大阪とも連携し、まちへの愛着の醸成を図りました。

8 行政経営

  • SDGsを意識した持続可能な行政運営に取り組み、第4次総合計画の中間見直しにも着手しました。
  • 中核市移行に際しては、必要となる人員体制や財源を確保し、約3000の事務移譲を受けました。
  • 労働相談窓口の相互利用、人事交流など、4中核市NATS(西宮・尼崎・豊中・吹田)による自治体間連携を進めました。
  • 新型コロナウイルス感染症感染拡大や物価高騰を受け、緊急的支援策により市民、事業者、医療・福祉現場、教育を支援しました。
  • 手続きの電子化、キャッシュレス決済の導入、システムの標準化などのデジタルトランスフォーメーション(DX)推進にも積極的に取り組み、市民サービス向上や業務プロセス改善を図りました。

当初予算案

市議会2月定例会に提案した令和5年度の当初予算案です。

市議会の承認を経て取り組みを進めます。

一般会計の歳入・歳出

 令和5年度一般会計の歳入・歳出予算の内訳です。一般会計は、福祉や教育、公共施設の建設や整備など、市の基本的な事業を担うものです。予算の総額は1563億2671万円となり、前年度に比べ3.5%、52億1392万円増加しました。

※数値は表示単位未満を四捨五入しているため、合計が合わないことがあります。

歳入 1563億2671万円

市税は706億6880万円。歳入に占める割合は45.2%。市民税や固定資産税などです。

国・府支出金は407億4980万円。歳入に占める割合は26.1%。特定の事業に対して国・府から支出される負担金や補助金などです。

譲与税・交付金等は148億1300万円。歳入に占める割合は9.5%。国からの譲与税、国・府からの各種交付金、地方交付税です。

繰入金は128億1196万円。歳入に占める割合は8.2%。特定の目的のために資金の積み立てを行う各基金などから繰り入れるお金です。

市債は87億6170万円。歳入に占める割合は5.6%。市が国や銀行などから借りる長期借入金です。

使用料・手数料は26億5492万円。歳入に占める割合は1.7%。設使用料や、住民票の写しの交付手数料などです。

寄附金は15億5930万円。歳入に占める割合は1.0%

諸収入・その他は43億723万円。歳入に占める割合は2.8%

歳出 1563億2671万円

民生費は741億8965万円。歳出に占める割合は47.5%。子育て支援や高齢者、障がい者の福祉などの事業にかかる経費です。

教育費は166億6600万円。歳出に占める割合は10.7%。小中学校などの学校教育や図書館などの社会教育にかかる経費です。

土木費は159億7595万円。歳出に占める割合は10.2%。公園や道路の整備、都市計画などの事業にかかる経費です。

衛生費は159億6760万円。歳出に占める割合は10.2%。感染症対策や健康づくり、ごみ処理などの事業にかかる経費です。

総務費は152億3888万円。歳出に占める割合は9.7%。窓口業務や庁舎管理、広報などの事業にかかる経費です。

消防費は89億9209万円。歳出に占める割合は5.8%。

商工費は14億2337万円。歳出に占める割合は0.9%。

公債費・その他は78億7316万円。歳出に占める割合は5.0%。市債の返済にかかる経費です。

各会計の予算額

一般会計のほかに、目的に応じて設けている会計は以下のとおりです。

特別会計

国民健康保険

351億217万円、前年度比は0.5%

介護保険

325億1200万円、前年度比は5.7%

後期高齢者医療

62億5529万円、前年度比はマイナス3.6%

公共用地先行取得

14億4663万円、前年度比はマイナス44.4%

病院事業債管理

12億1846万円、前年度比はマイナス19.7%

部落有財産

5億1094万円、前年度比は3.0%

母子父子寡婦福祉資金貸付

6519万円、前年度比は11.4%

勤労者福祉共済

3778万円、前年度比はマイナス4.1%

企業会計

水道事業
収益的収支

事業収益は85億9260万円、前年度比は2.0%

事業費用は73億9488万円、前年度比は4.9%

資本的収支

収入は25億5440万円、前年度比は84.8%

支出は61億4516万円、前年度比は9.9%

下水道事業
収益的収支

事業収益は96億8794万円、前年度比は1.8%

事業費用は93億6907万円、前年度比は10.0%

資本的収支

収入は44億5191万円、前年度比は26.9%

支出は74億9481万円、前年度比は10.6%

主な取り組み

予算編成の3つのポイントに沿って、令和5年度の事業として提案した中から主なものを紹介します。(金額は令和5年度の事業費)

※数値は表示単位未満を四捨五入しています。

ポイント1 子育て世帯への支援を強化

病児・病後児保育の年限延長 1200万円

 小学1年生までから、小学3年生までに受け入れ年限を延長します。

一時預かり実施施設の充実 1103万円

 佐竹台地域交流室(おひさまルーム)で、1・2歳児を対象とした一時預かり事業を週2日程度実施します。また、ことぶき保育園で新たに一時預かりを実施するほか、南千里保育園の一時預かりの定員を6人から8人に拡充します。

保育人材確保のための給付金制度の創設 8484万円

 市内民間保育施設などに勤務する雇用5年目までの保育士・保育教諭に対して給付金を給付します。(最大5年90万円)

出産・子育てに係る相談支援と経済的支援の一体的実施 3億6519万円

 2月に開始した出産・子育て応援事業(伴走型相談支援と経済的支援の一体的実施)で、妊産婦などの面談ニーズに応じた体制を整備し、伴走型相談支援の充実を図ります。

小学校給食費の無償化、中学校給食費の半額補助 11億3935万円

 子育て世代への経済支援策として実施します。小学校は1人当たり最大5万1000円程度の軽減に、中学校は選択制で1食340円の給食費を半額の170円に。

ポイント2 安心・安全のための取り組みを推進

北部消防庁舎等複合施設 74億9699万円

 阪急南千里駅前に、北消防署、中消防庁舎、土木庁舎を集約し、災害発生時に市北部の対応拠点となる複合施設を建設します。併せて、吹田市、豊中市、池田市、箕面市、摂津市の5市で共同運用する消防情報指令センターを設置。令和6年春オープン予定です。また、教育センターなどの教育機能も集約し、施設の効率性を高めます。

防犯カメラの充実 2611万円

 主要幹線道路など、街頭防犯カメラ35台に災害時利用に伴う映像伝送機能付きカメラを導入します。また、公園は増設や既存の更新も含め、計130台を整備。小中学校は全54校に設置。そのほかの公共施設42施設にも導入します。

子供の置き去り防止や見守りを目的とした、機器の導入支援 6940万円

 障がい児通所支援事業者や保育所などに対して、送迎用バスの安全装置設置に係る経費や、ICTを活用した子供の見守り支援などに係る経費を補助します。

学校・保育施設などの危険木調査 4752万円

 小中学校や保育所などの安全を確保するため、重大な事故などの発生リスクが高い樹木(危険木)について、診断調査と剪定などの必要な対策を実施します。対象施設は市立小中学校、公立保育所、認定こども園、幼稚園のすべてです。

山田三ツ辻付近の安全対策 1億2764万円

 新八王子橋の歩道を整備します。

ポイント3 良好な住環境形成のための事業を推進

佐井寺西地区における土地区画整理事業の推進 28億5975万円

 土地区画整理手法を活用し、これまで未整備であった都市計画道路豊中岸部線、佐井寺片山高浜線の整備と併せて、周辺のまちづくりを一体的に行い、佐井寺西地区の良好な住環境の形成を推進します。

上の川周辺のまちづくり 5億2279万円

 上の川の暗きょ化による遊歩道の整備や、地域防災力向上のための道路(橋りょう・踏切)の改良をします。

緑化重点地区の再整備 2億4680万円

 JR南吹田駅周辺緑化重点地区における道路(穂波芳野線など)や公園などを再整備します。

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