令和6年1月市報すいた 市長コラム「そして100号」

ページ番号1031343 更新日 2023年12月22日

令和6年1月市報すいた 市長コラム「そして100号」

 「こもれび通り」が 100 号を迎えました。ご愛読いただき、ありがとうございます。
 「よくそれだけネタがありますね」と言われることがありますが、日々の出来事から感じたことを、なぜそう感じたのか考察してみて文章にするという作業なので、ネタが尽きることはありません。さて、100 号にあたり、いつもよりスペースを拡大してお送りしましょう。
 数学者の岡潔さんは、著書「人間の建設」で「義務教育は何をおいても、同級生を友だちと思えるように教えてほしい。同級生を敵だと思うことが醜い生存競争であり、どんなに悪いことであるかということ、いったん、そういう癖をつけたら直せないということを見落している」と言っています。
 勉強することの意義は、成績の優劣をライバルと競うことではなく、学びを通じて以前の自分よりも成長することです。一方で、受験勉強では子供たちは厳しい「生存競争」にさらされます。その経験は無駄ではありませんが、人格に「醜い癖」がつくまで子供たちを追い込むことは、教育とはいえません。
 昨年盛り上がったラグビーワールドカップでの試合終了後、敵・味方関係なくたたえ合うノーサイドのシーンにこそ、岡さんの言葉の行間が読み取れます。
 そして、岡さんは、今の人類文化は生存競争であるとし、「人類時代とはいえない獣類時代である」と喝破しました。仲間を蹴落として上に登ることの何が悪い、と平然と言ってのけ、さらなる「強さ」を求め誇る獣類は、確かに身近にいます。
 強さを追求し、武道を極めた人物がこう言いました。「Real living is living for others.(本物の生き方とは、人のために生きることだ)」。これは、あのブルース・リーの言葉です。
 私たちがそれぞれに持つ「強さ」を、何にどう使うべきか。新年を迎え、改めて考えてみる時間を持ちたいと思います。

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