令和5年9月市報すいた 市長コラム「n=1」

ページ番号1029091 更新日 2023年8月25日

 「お酒もタバコも好きなだけ楽しんできましたが元気に長生きしています」「私はこうして成功をつかみました」「結婚はしておくほうがよい」「人生というものは…」このようなコメントを聞くと、苦笑いしてしまいます。
 統計学において、nというのはサンプル(標本、事例)の数のこと。つまり、n=1はたった1つの例だということを表します。n=1の情報をうのみにする前に、他の事例を確かめる、いわゆるウラをとることが大切です。耳に入る全ての話や情報について、それが一般論なのか、事実なのか、まずは疑わなければいけません。私はこれまでの経験で「いい話ほど笑顔で疑え」と学びました。最近話題の生成AIの答えについても、同じことがいえますね。
 学生に講義をする際には、冒頭で必ず「今から私が話す内容が、n=1論なのか一般論なのか、講義後にウラをとるように」と伝えます。一方で、私の使命は吹田市で暮らす38万人全ての幸せを、可能な限り、ひとり残さずお守りすることです。たとえ、おひとりのn=1の困り事であっても、何とかできないか誠意を持って検討する。それが市民に最も近い行政の役割です。
 n=1を安易に信じないこと、n=1を見逃さないこと、そのどちらもおろそかにしてはならないのです。

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