シンポジウム『医療と病院経営の未来を語る』~都市圏域における病院経営の危機~の開催報告

ページ番号1043768 更新日 2026年5月28日

イベントカテゴリ: 講演・講座・教室

開催日

2026年4月3日(金曜日)

開催時間

午後6時 から 午後8時 まで

開催場所

銀杏会館 3階 阪急電鉄・三和銀行ホール
(大阪大学吹田キャンパス内)

対象

医療機関にお勤めの方、医療行政担当者の方

内容

現在、全国の地域中核病院が経営危機に直面しています。 診療科や救急機能の縮小、さらには存続自体を断念するケースもあり、 「病院経営の限界」を危惧する声は、地方のみならず都市部でも上がっています。

なぜ、このような事態が進行しているのか。 急性期病院が豊かに存在するが故の吹田市が抱える現状について、 各病院長が本音で語るシンポジウムを開催しました。

 

参加者
131名

シンポジウム『医療と病院経営の未来を語る』~都市圏域における病院経営の危機~

1 開会あいさつ

講演者:後藤圭二(吹田市長)

2 基調講演 「“病”院をぶっ壊せ!地域医療を守る」

講演者:神野 正博氏 (全日本病院協会長)

講演者:神野 正博氏
講演者:神野 正博氏 (全日本病院協会長)

【豊能医療圏(※1)の人口動態・医療機関の特徴】
2050年に向けて、豊能医療圏における人口は全国の傾向と同様に減少傾向にあり、特に生産年齢人口の減少が大きく、後期高齢者の人口の増加が見込まれています。また、疾患別でみると、循環器・呼吸器・生活習慣病に起因する疾患等、高齢者に多い疾患への対応の需要が増加し、小児・周産期に係る疾患への需要は大幅に減少する予測となっています。
豊能医療圏には、2つの特定機能病院(※2)、7つの地域医療支援病院(※3)、複数の在宅医療を支える病院等があります。機能で見ると救急医療を行う病床は多いですが、自宅復帰を目的にリハビリを行う病床、長期療養を行う病床はやや少ないという傾向があります。また、全体的に病床の利用率は低下してきています。

※1 豊能医療圏 豊中市、池田市、吹田市、箕面市、豊能町、能勢町の4市2町で構成される二次医療圏
※2 特定機能病院 高度の医療の提供、高度の医療技術の開発及び高度の医療に関する研修を実施する能力等を備えた病院(国指定)
※3 地域医療支援病院 紹介患者に対する医療提供、医療機器等の共同利用の実施等を通じて、かかりつけ医等を支援する能力を備え、地域医療の確保を図る病院として相応しい構造設備等を有する病院(府指定)

人口推計

MDC別DPCの退院患者数の推計

【日本の人口動態と2040年頃に向けた医療の課題】

今後、人口減少が進み生産年齢人口が減少し、85歳以上を中心とする高齢者数も2040年頃のピークまで増加する予測となっています。85歳以上は約6割が要介護認定を受けており、現在よりも医療・介護の複合ニーズを有する方が増加していくため、高齢者救急医療や在宅医療の需要が増加していく見込みです。

医療についても過去の成功モデルが今後の参考にならなくなってきています。医療の需要と供給を見極め、それに応じた医療機関のさらなる機能分化・連携を促進し持続可能な医療体制を構築していく必要があります。

日本の人口構成の将来推計

2040年頃に向けた医療の課題

【新しい地域医療構想】

今後の高齢者の増加など人口構造の変化に伴う医療の需要と供給のバランスを見据え、従来の「治す医療」から「治し支える医療」への転換が必要です。

将来的に、急性期病院(※4)が密集する地域では限られた患者を取り合うことにもなり、共倒れのリスクもあります。医療機関のさらなる機能分化や連携の促進、場合によっては変態も視野に入れて考えていく必要があると思われます。

※4 急性期病院 疾病や外傷など急性発症した疾患や、慢性疾患の急性増悪の治療を目的に、一定程度の安定した状態に至るまでの急性期医療を行う病院

≪地域医療構想とは≫

都道府県が地域の現状や将来の医療需要のデータを示し、それをもとに地域の医療機関が話し合い、病院の役割分担を調整していく仕組みのことです。少子高齢化が進み医療資源も限られる中で、地域の医療提供体制の維持が難しくなることが懸念されています。地域住民が将来にわたり、必要な時に適切な場所で状態に応じた質の高い医療が受けられるために、医療法に位置付けられている取組みです。

医療機関の役割のイメージ(案)

病床機能分化の私案

3 パネルディスカッション

【コーディネーター】

後藤 圭二(吹田市長)

【パネリスト】 

内藤 雅文氏(市立吹田市民病院長)

中谷 敏氏(大阪府済生会千里病院長)

島 俊英氏(大阪府済生会吹田病院長)

松林 恵介(吹田市保健所長)

【オブザーバー】 

神野 正博氏(全日本病院協会長)

パネルディスカッション
パネルディスカッションの様子

【市民への医療機能周知の必要性等】

・急性期病院で治療後の急性期が過ぎた患者を受け入れる回復期病院(※5)が不足していて、転院調整が難航することがある。

・急性期が過ぎたら回復期病院に転院するという流れがあることを知らないため、患者自身が急性期病院にいることを希望される場合がある。

・医療の機能について国を挙げて国民に周知をしていく必要がある。

※5 回復期病院 急性期治療を終えた患者が、自宅や社会に戻ってからの生活を少しでも元に近い状態に近づけるためのリハビリテーションを行う医療機関

 

【病院経営と財務の危機】

・赤字経営に直面し、物価が高騰している中、病院が自力で建て替え資金を工面するのは非常に困難な状況である。

・病院長は医師であることが法で定められているが、立場が病院長になると急にこれまで経験したことがない経営についての責任が生じる。

・病床数を減らし医療職を集約する等の方法も一つではないか。

・経営ノウハウを持っている職員を登用する工夫も必要。

 

【医療機関の連携・機能分化】

・病院同士でメリットがあれば連携は進むと思うが、連携することによりどちらかが一時的にも損をするような状況であれば連携は難しくなる。

・同じ規模の複数の病院がフルスペックで医療を行うよりは集約・スリム化が理想的。

・患者が減っていく中で、各病院が現状の病床数を抱えたままでは経営が立ち行かなくなる。複数の病院で連携をすることで、うまく機能分化できた地域もある。

・この問題は公立・公的病院だけではなく、医療法人も含めて圏域内の全医療機関で調整をしていく必要があるのではないか。

・機能が似ている病院が複数ある場合は、機能が重複しないように、まずは同じテーブルで話し合うことが重要と考える。

4 参考

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このページに関するお問い合わせ

健康医療部 保健医療総務室
〒564-0072 大阪府吹田市出口町19番3号(吹田市保健所内)
電話番号:06-6339-2225(音声ガイダンスにつながります) ファクス番号:06-6339-2058
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