貧血を予防する食事

ページ番号1022219 更新日 2024年1月4日

貧血とは

赤血球に含まれるヘモグロビンの濃度が低い状態を貧血と言います。貧血はその原因によっていくつかに分類されますが、最も多いものは鉄の不足による鉄欠乏性貧血です。
ヘモグロビンは、鉄を含んだ血色素(ヘム)とたんぱく質(グロビン)が結合してできていて、酸素を全身に運ぶ役割を担っていますが、体内の鉄が不足するとヘモグロビンも減り、体の隅々まで十分に酸素を行き渡らせることができなくなります。その結果、全身が低酸素状態になってしまいます。これが鉄欠乏性貧血です。

貧血の主な症状

貧血と聞くとめまいやだるさ等の症状を連想するかもしれませんが、それだけではありません。全身が酸欠状態ですから、症状は体中多岐に現れる可能性があります。更にそれらは少しずつ進行するため、体の不調を体質や慢性疲労と思って長年放置していることも少なくありません。
こんな症状に心当たりはありませんか?

イラスト:貧血の主な症状

鉄欠乏性貧血の主な原因

鉄の摂取量が足りない

朝食を食べない等の欠食や、好きなものしか食べない偏食、極端なダイエットなどで食生活が乱れていると、必要な食事量を維持することが難しくなります。鉄をはじめ、血液を造るために必要なたんぱく質、ビタミン、ミネラルなどいろいろな栄養素が不足し、貧血になりやすくなります。

鉄必要量が増加した

ライフステージの中で特に鉄を多く必要とする時期があります。たとえば思春期には体の急激な成長により血液量が増加する分、鉄が必要になってきます。また妊娠・出産・授乳期も胎児を育むため、母乳分泌のために、通常よりもたくさんの鉄が必要になります。

イラスト:若い女性

イラスト:妊娠した女性

イラスト:赤ちゃん抱っこ

鉄損失量が増加した

月経で大量の血液を毎月損失する女性は、男性よりも鉄欠乏性貧血になりやすいと言えます。がんや腫瘍などで消化管から出血が続いている場合も鉄が不足してきます。

食事のポイント

まず、普段の食生活を見直してみましょう

鉄は幅広い食品群に含まれていますが、体内での吸収率は低い栄養素です。毎日失われる鉄を食事から摂取するためには、規則正しく、バランス良く、しっかり食べることが大切です。
仕事や育児で忙しいお父さん、お母さんは、朝食を抜いたり、昼食を簡単に済ませたりしていませんか?高齢の方も加齢に伴い体内に鉄を吸収する力が衰えてくるため、注意が必要です。加えて食が細くなり、あっさりしたものだけを好むようになると、食事のバランスが崩れやすくなります。これを機に現在の食生活を振り返ってみましょう。

鉄が含まれる食品を食事に取り入れましょう

食品に含まれる鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄があります。ヘム鉄は肉類や魚介類などの動物性食品に、非ヘム鉄は野菜や大豆製品などの植物性食品に多く含まれます。体内での吸収率が高いのはヘム鉄ですが、一緒に摂取する栄養素を工夫することで非ヘム鉄も吸収率を高めることができます。一つの食材に偏ることなく、いろいろな食材から鉄を摂るように心がけてみましょう。

鉄の推奨量

鉄の推奨量※は、18歳以上の成人男性で1日7.0mg~7.5mg、成人女性で1日6.0mg~6.5mg(月経なし)、10.5mg~11.0mg(月経あり)です。妊娠中や授乳中の女性は更に付加されます。
(※日本人の食事摂取基準(2020年版)より)

鉄を多く含む食品

主な食品の目安量に含まれる鉄量※

食品名

1回あたりの目安量

鉄含有量

豚レバー

60g

7.8mg

鶏レバー

60g

5.4mg

かつお

70g

1.3mg

あさり

30g

1.1mg

ほうれん草

70g

1.4mg

糸引き納豆

40g

1.3mg

(※「日本食品標準成分表」2020年版(八訂)より)

鉄の吸収を助ける栄養素など

  1. ビタミンC
    ビタミンCは非ヘム鉄の吸収をよくする働きがあり、新鮮な果物や緑黄色野菜に多く含まれます。また、鉄は胃酸が分泌されると体内へ吸収されやすくなります。柑橘類や酸味のある食材を食べたり、ゆっくりよく噛んで食べることで胃酸分泌が促され、鉄の吸収率が高まります。
  2. たんぱく質
    たんぱく質は血液中の赤血球やヘモグロビンの材料となり、鉄の吸収も上げる大切な栄養素です。肉類、魚介類、卵、大豆製品、乳製品などから良質なたんぱく質を得ることができます。食べ過ぎには注意が必要ですが、毎食取り入れるようにしましょう。

鉄の吸収を阻害する食材も注意しましょう

コーヒーや緑茶、紅茶に含まれるタンニンは、鉄と結合して、体内への吸収を悪くします。食事中や食後しばらくは摂取を避けた方が良いでしょう。

年に一度、健康診断を受診しましょう

イラスト:健康診断

貧血の症状はよくある体の不調として長年放置しがちですが、その陰に大きな病気が隠れている場合もあります。自覚症状がない場合でも健康診断を受けることによって、現在の健康状態を確認することができます。
健康診断で貧血を指摘された場合は、そのままにせず、その原因を探るために医療機関で診察、検査を受けることも検討してみてください。

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健康医療部 成人保健課
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