吹田市×国循 3回連続 食育講座「小学校給食の工夫を家庭の食事にも」を開催しました(令和5年10・11月)
ページ番号1030005 更新日 2024年4月19日
この講座では、国立循環器病研究センターが推奨する「塩をかるく使っておいしさを引き出す」減塩の考え方(かるしお)や、小学校給食で提供されている「かるしおアレンジ献立」の手法を通じて、普段の食事を美味しく減塩する方法を学びました。
1回目:素材を活かしたおいしさを知り、かるしお生活で食の楽しみを深めよう!
- と き:令和5年10月19日(木曜) 午前10時30分~11時30分
- ところ:エア・ウォーター健都 2階 共創スタジオ
- 講 師:国立循環器病研究センター(国循) 竹本小百合氏
[なぜ減塩が必要?]
日本人の平均食塩摂取量は、男性10.8g/日、女性9.1g/日。
国が目標とする男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満に比べ、まだまだ多い傾向にあります。
1日の食塩摂取量を実際の食事で考えてみるとどうでしょう?参加者の方にクイズを通して考えてもらいましたよ。
加工品や外食を利用することの多い食生活では、1食で1日の目標量の半分以上を摂取してしまうこともあるようです。日頃からそのようなことを意識し、家庭で作る料理では塩を減らす工夫ができればいいですねとお話されていました。
[だしの取り方実演]
おいしく減塩するためには「だし」を効かせることがポイント。今回の講座では【かつおだし】の取り方の実演を行いました。
小学校の給食でも、だしを効かせておいしく減塩したメニューが登場していて子供たちに好評のようです。
[だしの飲み比べ]
かつおぶし、こんぶ、煮干し、顆粒だしの飲み比べを行いました。素材によって風味や旨味が違い、顆粒だしと天然だしでは味わいが全く違いましたよ。
顆粒だしには食塩が含まれているので、味付けの調味料は控えめにしましょう!
大事なのは濃い味付けに慣れる前に予防すること。
だしをうまく活用して減塩することから始めましょうとお話されていました。
参加者からの感想(一部抜粋)
- おだしの味の違いを知る事ができて良かった。
- かつおや昆布のだしの美味しさを改めて感じたので、家でもやってみようと思いました。
- 減塩の必要性は理解しているが、普段なかなか実践できないので、この講座をきっかけに改めて実践しようと思う。
2回目:小学校給食での「グルメな減塩!かるしお大作戦」の取組みについて
- と き:令和5年11月2日(木曜) 午前10時30分~11時30分
- ところ:エア・ウォーター健都 2階 共創スタジオ
- 講 師:国立循環器病研究センター 長尾調理師、吹田市職員
この日は給食でも提供されている「ガーリックツナピラフ」と「イタリアンスープ」の調理実演・試食をしました。
[減塩料理をおいしく作るポイント]
イタリアンスープは、にんにくを炒めて香りを出し、鶏肉と野菜をしっかり炒めて旨味を引き出します。その後、水を入れてゆっくり沸騰させることでその旨味を十分に溶け込ませます。
旨味が溶け込んだスープを味見してもらいました。
素材のおいしさがつまったやさしい味…。
このおいしさを活かして味付を控えめにすれば、自然と減塩になりますね。
ガーリックツナピラフは、ツナの油を旨味として利用することが最大のポイントだそうです。
[給食メニューを家庭でも]
学校給食では、おいしさを損なわないように段階的に減塩ができるような工夫をしており、その味に慣れ親しんでもらうことで、将来の食事を選択する知識を養うことができるとお話されていました。
給食メニューを家庭で作る時に気をつけてほしいこと
- 給食で使うチキンブイヨンは食塩不使用のため、市販の固形スープの素(食塩を含む)を使う場合は味付けの調味料を控えめに。
- 給食献立表に記載の「水分量」は、家庭で作る際は多めに用意を。
また、料理作りのアドバイスとして、調味料を使い過ぎないように計量カップや計量スプーンを使うようにしましょうというお話がありました。普段からキッチンの使いやすい場所に置いておくといいですね。
[試食してみて…]
ガーリックツナピラフとイタリアンスープを試食しながら、作り方の動画を見ておさらいしました。
「おいしい~」と言いながら、子供たちがいつも食べている給食の味に思いを寄せている様子でした。
参加者からの感想(一部抜粋)
- 子供達が食べている給食がこんなにも工夫され、子供のためを思って作られていると学べて良かった。
- ピラフを炊飯器で作れるというのが手軽でいいなあと思いました。家でも挑戦してみたいです。
- 素材の味が活きていて、とてもおいしかったです。
3回目:スーパーの上手な活用方法&減塩でおいしさ発見
- と き:11月16日(木曜) 午前10時30分~11時30分
- ところ:阪急オアシス吹田SST店
- 講 師:阪急オアシス専任講師、ヤマキ(株)
3回目の講座では、「だし屋」の道を一筋に歩んでこられたヤマキ(株)さんから“だし”の魅力について教えていただきました。
[かつお節の削り体験]
「だし」の素になるかつお節。普段よく利用するのは薄く削られてパックされたものですが、今回は実際に削る体験をしてもらいました。世界一硬い食べものと言われる「かつお節」は削るにもコツがいるようで、うまく削れるまでに時間がかかったようです。削りたてのかつおはやわらかく風味も格別。「かつおかけごはん」としてかつお節のおいしさを贅沢に味わってもらいました。
[だしを効かせて減塩体験]
和食の基本とも言える「だし」は、料理をおいしくするだけでなく塩分を控えることにもつながります。その効果を体験してもらうため、めんつゆを“水” と “だし”で希釈したものを飲み比べ。多くの方がおいしいと感じたのは“だし”で希釈した方でした。しかし、だしで希釈した方は水で希釈したものよりもめんつゆの使用量が少なかったそうです。だしを使えば塩分控えめでもおいしいと感じることができるんですね。
[便利な商品を利用して手軽に減塩料理]
めんつゆや白だしなどの「だし入り」の調味料を使うと、料理を簡単においしく仕上げることができますね。使う量に気をつければ、手軽に塩分控えめの料理にできます。ちなみに、減塩タイプの商品もあるそうですよ。
料理作りを時短したいという方に、オアシスさんから下処理済み商品の紹介もありました。
このような商品を利用しつつ、今日は自分でだしをとってみる、そんなこだわりの日があってもいいですね。
3回の講座を通して、減塩料理の味や濃い味の料理では気づきにくい素材の味、食べ物を大切に味わう食べ方を知ってもらうことができたと思います。
アンケート結果では、参加者全員が「減塩した料理を家庭の食事に取り入れたい」と答えてくれていました。
3回にわたり参加していただいたみなさん、ありがとうございました。
今年度、新たに食育講座を企画中です。みなさんの参加をお待ちしております。
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