すいたの自然2011

ページ番号1002315 更新日 2022年9月21日

吹田市は、平成22年度(2010年度)から2年かけて、自然環境の現況を調査し、平成24年(2012年)3月に「すいたの自然2011」としてとりまとめました。
市全域を対象とする同様の調査としては、前回は平成14年(2002年)3月に「すいたの自然2001」としてとりまとめています。今回は、前回の調査に多少の改良を加えつつも、当時の調査とほぼ同じ方法・場所で10年ぶりに実施しました。

全域調査

植生分布状況

地図:吹田市現存相観植生図
現存相観植生図

航空写真と現地調査により、市域の植物の分布図(現存相観植生図)を作成しました。これは、樹林や草地の種類別に分布状況を示したものです。

吹田市の「みどり」は、人の営みにより維持されてきた農地・竹林や、まちづくりにより造られた公園・街路樹などがほとんどですが、本市にとっては、これらが貴重な自然環境となっています。

市内最大のみどりは万博記念公園で、広い芝生やさまざまな林・草地・池などがあります。それ以外にまとまったみどりとしては、千里ニュータウンを囲む千里緑地、紫金山公園などに大きな竹林、樹林や草地などがあります。

また、市内のあちこちに急な斜面や農地などがあり、やや小さなみどりが残っています。

ため池には、岸付近等に少しだけヨシなどの水辺の植物が生えています。

「千里の竹林」で有名な竹林は、豊中市に接する春日から桃山台にかけて広がっていて、高野台~山田~万博記念公園~山田丘にも、やや小さな竹林が点々とあります。

コウモリ生息状況

秋季の夕方から夜間に、コウモリの発する超音波を探知する機器を用いて、生息分布状況を調査しました。
その結果、アブラコウモリが、広く分布することがわかりました。
季節変化や、ほかのコウモリ類の状況などは、今後の課題としました。

区域別調査

まとまったみどりが存在しており、継続的にモニタリングが必要な区域を「詳細調査区域」と位置づけ、前回調査(10年前)と同様、詳細な動植物調査を実施しました。

北千里区域

この区域は、3つのゾーンごとに特徴があります。

  1. 千里緑地(青山台~箕面市の境界緑地)
    樹林が生長して暗い林のところと、里山林の残っているところがあります。アカマツ林の名残やシイ類、カシ類の林が主な緑地です。自然環境が比較的豊かです。
  2. 千里北公園
    昔からの竹林や林も多く、他には見られないオギやススキの草原、広々とした広い芝生、ため池などがあります。公園としての利用が多いところです。
  3. 苗圃
    昔は公園などに植える木を育てていましたが、今はあまり利用しておらず木々がすっかり生長して、巨木がたくさんあります。昔の農地や里山の名残りが見られます。
    一部、市民ボランティアによる手入れが行われています。

地図:北千里区域(西部)植生図

地図:北千里区域(東部)植生図


植生図

調査結果

植物
昆虫類
両生類・爬虫類
鳥類
哺乳類
景観

山田西区域

地図:山田西区域植生図
植生図

千里ニュータウンを取り囲む千里緑地の一部です。細長い緑地内に、大小のため池、水路、湿地、遊歩道、グランドがあり、アベマキやコナラ等の雑木林、竹林、メタセコイア林等が分布しています。

この区域は、吹田市内でも最も自然度が高い区域のひとつです。また、吹田市内で最も多くヒメボタルが生息していることと、それが市民により継続して調査されていることで、全国的にも知られています。

調査結果

植物
昆虫類
両生類・爬虫類
鳥類
哺乳類
景観

紫金山区域

地図:紫金山区域植生図
植生図

千里丘陵の南東端に位置する都市公園です。吉志部神社の社寺林と、里山特有の樹林が特徴です。

釈迦が池には、アオサギ、カルガモ、カイツブリなどの水鳥が生息しています。また、ニホンアマガエル、トノサマガエルなどの両生類や、クサガメ、ミシシッピアカミミガメなどの爬虫類も確認されました。

公園南側の農地では、ゲンゲ群落、スギナ群落などの草本群落が分布しています。

市民グループによるコバノミツバツツジの保全活動が行われ、春季には美しい里山風景が見られます。

調査結果

植物
昆虫類
両生類・爬虫類
鳥類
哺乳類
景観

弘済院区域

地図:弘済院区域植生図
植生図

千里ニュータウン内の中国自動車道沿いにありますが、みどりが多いために静かな環境です。高齢者福祉施設、病院、高齢者向け住宅などが立地しています。

近年、施設や道路の建設により、みどりが少し減少しましたが、公園的な樹林、コナラを主体とする雑木林、竹林、草地などの環境を含み、全体としてはかなり広い緑地となっています。

周辺には、公園が点在し、万博記念公園もすぐ近くにあるため、野鳥が行き来できる地域のみどりの核になっています。

調査結果

植物
昆虫類
両生類・爬虫類
鳥類
哺乳類
景観

片山公園区域

地図:片山公園区域植生図
植生図

片山神社とアサヒビール吹田工場、マンション群等に囲まれた市街地の約4haの公園です。吹田市立中央図書館などが隣接し、公園自体も人の利用が非常に多いところです。

南側の急斜面には樹林が残っていますが、ほとんどが都市公園として整備されており、人工的に植栽された緑地となっています。

春秋には、キビタキ、センダイムシクイ、コサメビタキなどの鳥類が、渡りの中継地として利用しています。

調査結果

植物
昆虫類
両生類・爬虫類
鳥類
哺乳類
景観

千里丘区域

地図:千里丘区域植生図
植生図

千里丘周辺は、かつては企業の寮やグラウンドなどの福利厚生施設が立地し、みどりが豊かな丘陵地域でしたが、近年、マンションなどの住宅開発が進んだ地域です。毎日放送の跡地と新芦屋中央公園の周辺にみどりが残っています。

主な植生は、コナラ・アベマキ林です。ため池があるので、トノサマガエルなどの両生類やクサガメなどの爬虫類が生息しています。冬季にはカモ類の飛来があります。

毎日放送跡地では、開発に先だって環境影響評価が行われ、千里丘稲荷神社周辺と南側の緑地は残されました。南側の緑地は、現況の地形とみどりを活かした公園となっています。

調査結果

植物
昆虫類
両生類・爬虫類
鳥類
哺乳類
景観

報告書

  • 4.全域調査
  • 5.トピック
  • 7.区域別調査
  • 8.まとめ

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