特集こどもすいた こども防災キャンプ〔市報すいた 令和5年(2023年)10月号〕

ページ番号1029634 更新日 2023年9月29日

 台風や豪雨などの自然災害が全国的に多発するこのごろ。

 もしも停電や断水の中、数日過ごさなければならなくなったら…。

 電気やガスがない自然の中で過ごすキャンプには、災害時に応用できるノウハウがたくさんあります。

 今回は防災を考える最初の一歩として、こども記者が防災キャンプに挑戦。

 アウトドアを楽しみながら、もしもに役立つポイントを学んできました。

防災の3本柱

自助

自分の命は自分で守る

共助

地域の安全は地域で守る

公助

行政による安全対策

3つの柱がうまく連携することで、被害が軽減できる。

こども記者紹介

荻野はるか記者・小学5年生

藤井理彩子記者・小学4年生

廣雅記者・小学6年生

新屋敷太一記者・小学5年生

松本隆汰記者・小学6年生

利用した施設は… わくわくの郷

 日帰り・宿泊でキャンプなど野外活動を楽しめます。

 イベントも随時開催。詳しくは38ページへ。

1 テント設営

 避難生活にあると便利なテント。雨風をしのぎながらプライベート空間を確保できます。避難生活には体育館など室内でも設営できる自立式テントがおすすめ。

2 火おこし

 ガスや電気が使えなくなったときも、火をおこせると体をあたためることができます。あたたかい食事は、心も少しホッとさせてくれます。

3 防災キャンプ飯

 家のキッチンではなく、外で作るキャンプ飯のノウハウは、災害時の食事にも応用できます。最低3日分、できれば7日分以上が推奨されている食料備蓄。市販の非常食だけでなく、キャンプ飯も取り入れてみると、飽きずに食事を楽しめそう。

レシピやアイテムを教えてくれたのは… 関西大学 学生団体KUMC

 防災・減災を社会に発信するために、社会安全学部で学び、子供たちへの防災教育など啓発活動を行っています。

日持ちする缶詰でアレンジレシピ 包丁&水いらず、たったの10分
サバとトマトのカレー

材料

  • サバ缶:1缶(200~300グラム)
  • トマト缶:1缶(400グラム)
  • カレー粉:大さじ2
  • ケチャップ:大さじ2
  • 中濃ソース:大さじ1
  • 塩:少々
  • パセリ:少々
  • ごはん:適量
作り方

(1)サバ缶を汁ごと鍋に入れる。軽く身をほぐしながら中火で1分炒める。

(2)トマト缶を投入。全体を底からすくってよく混ぜ合わせる。

(3)中火で3分ほど煮詰め、とろみをつける。少しどろっとしてきたらOK。

(4)ケチャップ、中濃ソース、カレー粉を加え混ぜ合わせたら、中火で3分煮込む。塩で味をととのえて、全体にとろみをつける。

初心者おすすめ 炊飯器不要&洗い物なしのポリ袋炊飯

材料

  • 米:1合
  • 水:200ミリリットル
  • 耐熱ポリ袋:耐熱温度が100度以上のものを利用
作り方

(1)米と水を袋に入れ、30分ほど浸水させる。きちんと浸水させることが失敗しないポイント。

(2)湯煎用の鍋に耐熱皿を敷き、上に1をのせる。水位はポリ袋がかぶるくらい。

(3)中火にかけ、沸騰したら弱火で15分。マカロニサラダ用のマカロニもあわせてゆでる。

(4)火を止めて鍋から出し、10分蒸らす。

ポリ袋炊飯との合わせ技で、水・燃料を節約
マカロニサラダ

材料

  • マカロニ:ひとつかみ
  • ツナ缶:1缶(80グラム)
  • マヨネーズ:適量
  • 塩:少々
  • コショウ:少々
作り方

(1)マカロニをゆでる(ポリ袋炊飯3の工程を参照)。

(2)ツナは油を軽く切っておく。

(3)ゆであがったマカロニにツナ、マヨネーズを加える。

(4)塩、コショウで味をととのえる。

子供も楽しい ちょっとしたおやつに
チョコレートスモア

作り方

(1)マシュマロを竹串に刺してあぶる。

(2)ビスケットに、チョコと、あぶったマシュマロを挟んだら完成。

POINT

  • 日持ちする缶詰があると、防災食のアレンジが広がる。
  • ポリ袋炊飯は湯煎中、マカロニやパスタなどほかの具材も一緒にゆでられるうえ、湯煎用の水を再利用でき、水・燃料の節約に。
  • 食器にラップをすると、洗わずに済んで節水に。
  • カセットコンロやシングルバーナーがあると便利。

4 防災アイテム作り

食器がなければ作って食べよう
新聞紙食器&牛乳パックスプーン

まずは折りやすいよう正方形に。

皿:新聞紙を皿状に折った上に、ビニール袋をかぶせる。

スプーン:牛乳パックを切ってスプーン状に折る。

ツナ缶の油で明かりがつく ツナ缶キャンドル

缶の中央にキリで穴を開け、こより状に細くしたティッシュを詰める。ティッシュに油が染み込んで上がってきたら火をつける。缶の底まで穴を開けないよう注意。

ひと工夫でじゃ口に変身 ペットボトルシャワー

キャップに7か所穴を開けるだけ。

ボトルを押すと水が出せる。使いたい量だけ出せるから節水。食器や手洗いに。

5 避難所体験

 学校や公民館に設置される避難所で、どんな生活ができるのか取材。

 避難所は、震度6弱以上の地震で開設。震度5強以下の地震や風水害時は状況に応じて開設します。

 災害対応にあたる職員が着る防災服の背中には、避難所でも一目で職員と分かるよう「吹田市」の文字が大きく書かれています。

一家族分のスペースを体感

プライベート空間を確保できるパーテーションは簡単に広げられる作りで、1つの学校に45個配備。

こども記者5人でほぼぴったり。縦2メートル×横2メートル×高さ1.4メートルのサイズ。

何かあったときに大人が上から見守れる高さになっています。

子供だけでも すぐ完成

取り出す、広げる、ととのえる の簡単3ステップ

段ボールベッドの寝心地を体感

みんなで組み立てよう

基本となる24個の段ボール箱を、中に斜めに板を入れて補強しながら組み立てる。

組み立てた段ボール箱を4個ずつ枠に入れる。

ベッドの形に並べたら上に段ボール板を敷いて完成。

避難所で役立つ防災アイテムも作ったよ

腰掛けたりテーブルにしたり 段ボールスツール

(1)同じ大きさの段ボールを2枚用意して、1箱は底面をガムテープで留める。

(2)もう片方の段ボールは折り曲げて中へ入れる。

(3)表面もガムテープで留めたら完成。

足元を守る 新聞紙スリッパ

自分の足の大きさに合わせるのがコツ。

作り方はネットでたくさん出てくるよ。

6 教えて 防災のこと

 市内で想定されている災害や市の防災体制など、気になることを危機管理室の職員に聞いてみました。◆問い合わせ/危機管理室(電話6384-1753 ファックス6369-6080)。

Q 市ではどんな災害が想定されているの?

A 地震では上町断層帯を震源とする地震が最も大きな被害が出て、次に南海トラフ地震と想定しているよ。大雨などでは、市の南部には神崎川や安威川が流れているので、洪水の想定もしているんだ。

Q 小学生にできる災害の備えは?

A 家の周りやよく行く場所に危ないところがないかチェックしておこう。

 家族と連絡をとれる方法を決めておくのも大切。

Q トイレが使えないときはどうしたらいい?

A 断水や排水管が壊れて流せないときのために、非常用トイレを家に備えておこう。1人1日5回分。便座にかぶせて用をたし、凝固剤をいれると固まるもので、燃えるごみとして処分できるよ。

Q 避難所に犬などペットは連れていける?

A 避難所によって対応は異なりますが、基本的にはペットを連れていくことはできるよ。ただし、他の人にも配慮し専用エリアやケージなどで過ごすことになるので、ふだんからケージに慣れさせておくといいね。

Q 市の防災体制は?

A 災害に備えさまざまな取り組みを行っています。今回は主な3つを紹介。

(1)危機管理センター(EMC)

 今年4月、市役所に完成。被災状況や避難所、物資などに関する情報をまとめて、素早い対応ができるようになったよ。

(2)物資の備蓄

 Panasonic Stadium Suitaの観客席の下が備蓄倉庫になっていて、全国から届く支援物資を荷さばきする拠点でもあるよ。

 ほかにも、市内6か所に備蓄倉庫の整備を進めていて、地域に素早く物資が届くよう工夫をしているんだ。

(3)近隣市町村や民間企業との協力(災害時応援協定)

  • 物資・飲料の提供
  • 応急対策業務
  • 燃料供給
  • 災害廃棄物の収集運搬
  • 資機材レンタルの協力
  • 災害に強いまちづくりにおける連携

 など、90以上の協定を締結。いざというときのために連携を図っているよ。

もっと防災のことを知りたい人は

 防災情報をまとめた防災ブックにはクイズなどもあるので、家族で確認してみましょう。

市の災害情報もチェック

 市ホームページでは、災害情報の入手方法(市ホームページ、防災無線、防災アプリなど)を一覧でまとめています。

取材をおえて

 身近にあるもので災害のときに役立つアイテムを作れると知れてよかった。(藤井理彩子記者)

 今後災害が起きたときに、自分でもできることが分かった。忘れないように取材ノートを枕元においておこうと思う。(松本隆汰記者)

 もっと防災について学び、実際に災害が起きたときにみんなの役に立てたらいいなと思った。(廣雅記者)

 段ボールベッドは100人乗っても大丈夫と聞いてびっくり。ファミリールームも中は結構広くて、快適に過ごせそうだと思った。(新屋敷太一記者)

 防災キャンプ飯を作ったのが楽しかった。災害が起きたときは、今日使ってない缶詰を合わせてもいいなと思った。(荻野はるか記者)

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