プレコンセプションケア~妊娠前からの健康づくり~

ページ番号1027825 更新日 2024年2月1日

コンセプション(conception)は「受胎・妊娠」という意味でお腹に新しい命を授かることをいいます。
プレコンセプションケアは「妊娠前の健康管理」という意味で、将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分たちの健康に向き合うことです。妊娠を考えている人はもちろん、「妊娠なんてまだまだ先」という10代や20代も今から始めてほしいケアです。

※WHOは2012年に「妊娠前の女性とカップルに医学的・行動学的・社会的な保健介入を行うこと」と定義しています。

目的

  1. 若い世代の健康を増進し、より質の高い生活を実現してもらうこと
  2. 若い世代の男女が将来、より健康になること
  3. 1.の実現によって、より健全な妊娠・出産のチャンスを増やし、次世代の子どもたちをより健康にすること

妊娠・出産には適切な時期があり、健康であることも大切です。正しい知識を持ち、自分の健康管理を意識することで、将来の健康を増進するとともに、妊娠・出産を望む人はその適切な準備ができるようにしましょう。

妊娠・出産に適した時期

妊娠・出産に最も適した年齢は20代、遅くとも30代半ばごろといわれています。
これは「医学的な適齢期」です。30歳代半ばから、年齢が上がるにつれて様々なリスクが高くなるとともに、出産に至る可能性が低くなります。

卵子
生まれる前、お母さんのおなかの中にいるときから持っていて、新たに作られることはありません。年齢とともに減少し、卵子の老化などにより妊娠する力も低下していきます(下図表参照)。このため、女性の自然に妊娠する力は30歳ころから低下します。

精子
男性の体内で新しく作られ続けます。1回に射精する精子の中には2~5億個の精子があります。女性より緩やかですが、年齢とともに数が減ったり、運動機能が落ちたりします。

卵子の数の変化
出典:平成25年版厚生労働白書

年齢を重ねても若々しさを保つ人が増えていたり、高齢出産のニュースに触れるなどすると「いつでも子どもは持てる」と思う人もいるかもしれませんが、年齢が上がると、妊娠・出産に関するリスクが上昇するとともに、妊娠しにくくなることも医学的に明らかになっています。そのため、子どものいるライフプランを考えている方は、妊娠しやすい年齢を踏まえて、環境を整えていくことが必要です。

今日からできること~身に付けたい生活習慣~

体重

適正体重を維持しましょう。BMI18.5以上25未満が適正体重です。

BMI(体格指数)= 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

BMI18.5未満はやせです。過度なダイエットによる体重減少は無月経や月経異常を引き起こし不妊の原因になります。妊娠前のやせは切迫早産や早産低体重児が生まれるリスクが高くなります。

BMI25以上は肥満です。妊娠糖尿病を発症しやすくなり、妊娠高血圧症などの合併症のリスクが高まります。

食事

1日3回バランスのとれた食事をしましょう。さらに女性は妊娠を考えたその日から食事やサプリメントから葉酸を積極的に摂取しましょう。葉酸は、ビタミンB群の1つで細胞を作るために必要な核酸を合成したり、赤血球の形成に大きく関わるビタミンです。妊娠初期に採ることで二分脊椎症や無脳症などの神経管閉鎖障害の発生リスクを減らせます。

運動

1週間あたり150分の運動をしましょう。早歩きやお家ヨガ、テレビ体操、筋トレ等があります。

睡眠

理想的な睡眠時間は6~8時間です。昼過ぎ以外の時間帯でも強い眠気におそわれる場合には、睡眠不足の可能性があります。睡眠時間が十分とれるようにしましょう。

ストレスケア

過度なストレスは不安や抑うつの原因になります。ストレスを溜め込まないように、発散方法を見つけましょう。

歯のケア

妊娠中のお母さんの口の中の病気が胎児へ影響することがあります。虫歯がなくても、定期的に歯科を受診し、歯周病予防をしましょう。妊娠中は口腔環境の変化によって、歯周病や虫歯が発症・進行しやすい時期です。妊娠中の歯周病は早産や低出生体重児のリスクになることがあります。

適正飲酒

節度のある適切な飲酒量にしましょう。妊娠中は禁酒しましょう。

禁煙

たばこは肺がんや心疾患など多くの病気を引き起こします。また男女ともに不妊症のリスクが増加します。

健康診断

健康診断やがん検診を受診しましょう。

感染症予防

項目 行動 備考
風しん 母子手帳でワクチン接種歴を確認し、未接種であればワクチンを受ける。(2回接種が必要) 胎児への先天性性風疹症候群を予防する。
梅毒 性行為ではコンドームを使用。気になる場合は、検査や治療をパートナーとともに受ける 2013年以降男女とも梅毒の感染者が増加。初期症状がわかりにくいので注意が必要。
性器クラミジア感染症 性行為ではコンドームを使用。気になる場合は、検査や治療をパートナーとともに受ける。 性感染症の中で最も感染者が多い。感染が続くと不妊の原因になることがある。
ヒトパピローマウイルス(HPV) 女性はHPVワクチンの接種や子宮頸がん検診の定期的な受診、HPV感染の有無の検査を受ける。性行為でコンドームを使用。 子宮頸がんの主原因はHPVウイルスの感染によるもの。女性だけでなく男性も感染する。

 

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