吹田市立博物館 令和7年度(2025年度)秋季特別展「生誕110年記念 西村公朝 釈迦十大弟子を彫る」~見どころガイド~
ページ番号1040754 更新日 2025年10月10日

十大弟子とは釈迦の優れた十人の弟子たちです。平成6年(1994)、釈迦が入滅した歳と同じ80歳(数え年)を迎えた西村公朝は、十大弟子像を年に一体ずつ彫ることを発願しました。公朝は、仏典や学術書の記述、古寺の作例を通してそれぞれの人物像を明確に持ち、造形としての表現に挑みました。10年目の平成15年(2003)10月、病と闘いつつ最後の「迦旃延」を完成させ、12月2日、88歳(満年齢)の生涯を静かに閉じました。いずれもヒノキ材を用いた一木造りで、公朝が刻んだノミのひと振りひと振りがわかるほど荒い仕上げです。素朴ながら、それぞれの個性を的確に表した十大弟子像は、公朝が生涯追求し続けた祈りの造形の精華と言えます。
本展では、《十大弟子像》(京都・愛宕念仏寺蔵)とともに、公朝が構想にあたり残したデッサン、研究資料などを展示します。また、公朝の晩年のあゆみについても総じてご覧いただく機会となります。

西村公朝 (にしむら こうちょう)
大正4〜平成15年(1915〜2003)
東京美術学校彫刻科を卒業後、美術院(現公益財団法人美術院)の仏像修理技術者として約1,300体もの国宝・重要文化財の仏像修理に携わった仏像修理の第一人者。美術院所長、理事等を歴任した。また、仏像彫刻家として全国各地の寺院から依頼を受けるなどして、慈悲あふれる仏の姿を生涯にわたって追及し続け、昭和61年(1986)には比叡山延暦寺戒壇院の本尊釈迦如来像の造立を任ぜられ、「天台大仏師法印」号を授与された。吹田市立博物館の初代館長であり、市内の文化財調査に関わった。



本展の見どころ
- 公朝による“祈りの造形の精華”、「十大弟子像」(京都・愛宕念仏寺蔵)が勢揃い!当館では10年ぶり。
- 荒彫りでそれぞれの個性を表現した「十大弟子像」(京都・愛宕念仏寺蔵)制作にあたり、公朝が残した言葉やメモ、写真資料など多数展示。(出品点数 全約30点)
- 公朝の80歳(数え年)から10年間の業績をふりかえる。