水質のトピックス
ページ番号1008879 更新日 2024年9月6日
水質に関してマスコミ等で取り扱われている話題について、詳細を解説します。
有機フッ素化合物 (PFAS)
本市の有機フッ素化合物(PFOS、PFOA)の測定結果
本市の水道水における有機フッ素化合物(PFOS、PFOA)の安全性は確認できています。
本市では、水道水の原水(淀川水、地下水)、浄水所で水処理を行った後の浄水、管末水(じゃ口から出る水道水)の水質測定を行い、各時期の結果を評価するとともに、濃度変化の有無を確認しています。
これまでの測定の結果は、時期によって多少のばらつきがありますが、PFOS及びPFOAの合算値はいずれも10ng/L程度で推移し、国が定めた暫定目標値(50ng/L)を大幅に下回っており、明らかな濃度上昇も認められません。
水道水を安心して御利用いただけます。また、今後も定期的に測定を実施していきます。
令和2年度からの測定結果は以下のとおりです。
令和2年度~令和6年度の測定結果
PFASについて
PFASは人工的に有機炭素にフッ素を化合させた有機フッ素化合物の一種で、化学的に極めて安定で、その特性から、撥水機能を利用した防水剤、有機フッ素樹脂など日常生活の多くの場面で使用されています。
ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)について
ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)は環境中で分解されにくく、近年、環境残留性や蓄積性、長期毒性の疑いなどから国際的に製造・使用が制限されています。日本の化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)でも第一種特定化学物質に指定され、製造・輸入等が原則禁止されています。
PFOS及びPFOAの両物質の健康への影響評価は定められていませんが、国際がん研究機関(IARC)※は、PFOS及びPFOAについて、発がん性評価の結果を公表しました。PFOSはグループ2B(ヒトに対して発がん性がある可能性がある)に追加され、PFOAはグループ2Bからグループ1(ヒトに対して発がん性がある)に変更されました。
PFOS及びPFOAの両物質は、代替手段がない場合を除き、その使用及び製造ができなくなっており、近年では少しずつ検出濃度は低下していますが、難分解性という特徴から、日本でも特に地下水から高濃度で検出される報告がなされています。
これらの検出状況や健康影響、社会情勢を鑑み、令和2年度(2020年度)から暫定的な目標値として合算値として0.00005mg/L(50ng/L)以下として新たに水質管理目標設定項目として設定されました。
本市では水質検査計画に基づいて平成19年度(2007年度)より浄水や給水栓(じゃ口)で水質検査を実施しています。近年の浄水の検出状況は概ね10ng/L前後で目標値を満足しているため、水道水を安心して御利用いただけます。
今後も定期的に測定を実施していきます。
※発がん制御の科学的戦略確立を目的とするWHO(世界保健機関)のがん専門の機関
国(環境省)における検討状況
PFOS及びPFOAについて、環境省所管の「PFASに対する総合戦略検討専門家会議」において、科学的知見の収集評価が行われています。本専門家会議の監修の下、Q&A集とPFASに関する今後の対応の方向性が取りまとめられました。
クリプトスポリジウム
- 大きさが4~6μm(1μmは1mmの千分の1)の原虫で、水道で消毒のために使用されている塩素に耐性があります。
- 人間や牛などの小腸に寄生する原虫で、感染した人や動物の糞便といっしょにオーシストとよばれる形で体外に排出され感染源となり、食べ物や水を介して感染します。湿った環境中では2~6か月間感染力を持っており、クリプトスポリジウムのオーシストを食べ物や水を介して摂取すると、小腸の組織に入り込み増殖を始めます。感染した場合の症状は下痢や腹痛です感染すると2~5日後に下痢、腹痛、吐き気や嘔吐、軽い発熱が始まります。健常者の場合は1週間程度で回復し、生命に関わる病気ではありませんが、免疫不全の方の場合、病気が長引き、深刻な症状になることがあります。
- 泉浄水所では2か月に一度の定期検査をおこなっています。
- 本市では平成10年(1998年)の検査開始以来、クリプトスポリジウムは浄水からは検出されていません。
- また、平成9年(1997年)6月から高度浄水処理を導入し、浄水での濁度を0.1度以下に設定した水質管理をおこなうなど、クリプトスポリジウムの除去には万全の体制をとっています。
総トリハロメタン
- 総トリハロメタンの水質基準は、発がん性を考慮して決められたものであり、4種のトリハロメタンについて、クロロホルムが0.06mg/L、ブロモジクロロメタンが0.03mg/L、ジブロモクロロメタンが0.1mg/L、ブロモホルムが0.09mg/Lとそれぞれ基準値が設定され、さらに4種の合計量についても総トリハロメタンとして0.1mg/Lの基準値が設定されています。
- トリハロメタンの低減をはじめ浄水水質の一層の向上のために、吹田市では、泉浄水所において平成9年(1997年)6月から高度浄水処理を導入した結果、総トリハロメタンを約70%低減することができました。
- また、大阪府営水(現:大阪広域水道企業団)についても平成10年(1998年)7月から高度浄水処理水が供給され、吹田市域全域で高度浄水処理水が給水されることになり、総トリハロメタンの低減化が図られています。
鉛製給水管
鉛の水質基準
厚生労働省により、平成15年(2003年)4月1日から水道水における鉛濃度の水質基準が1リットルあたり0.05mg以下から0.01mg以下に強化されました。
WHO(世界保健機構)ガイドラインでも、体重5kgの乳児が1日0.75リットルの飲料水を摂取するとした場合の健康影響を考え、0.01mg/L以下としています。
鉛製給水管が使用されている可能性のある家庭は?
鉛製給水管は、鉄管などと比べ腐食しにくく、曲げるなどの加工がしやすかったため、以前は宅地内の給水管の材料によく使われていましたが、吹田市では漏水防止の観点から昭和51年(1976年)に硬質塩化ビニル管を採用し、鉛製給水管の使用を禁止しました。
そのため、昭和51年(1976年)以前に建築された家屋については鉛製給水管を使用している可能性があります。
鉛製給水管が使用されている場合
水道水中に鉛が溶出する可能性がありますが、通常の使用状態では、現在の水質基準値以下であり健康上心配ありません。
ただし、水道管内に水道水が長時間滞留した場合、基準値を超えて鉛が溶け出す可能性があります。
念のため、長期間留守にしたときや朝一番の水については、バケツ一杯程度の水は雑用水にするなど、飲用以外にお使いください。
鉛製給水管の取替え
給水管は個人財産であり、その管理と責任は所有者にありますので、給水管の取替え工事はお客様の負担で行っていただくことになります。
鉛製給水管が使用されていても、通常に使用している限り健康に影響はありませんが、宅地内の鉛製給水管は、家屋の建替えや改修を行う際には、給水管の取替えを行うことをお勧めします。
水道部の取り組み
水道部では、鉛製給水管の解消に向けて、本来市民の負担である道路部分を一定の基準を設け取替え工事を計画的に進めていますので、ご協力いただきますようお願い申しあげます。
また、浄水所では鉛の溶出防止対策として浄水のpH値を常時7.2~7.5程度に維持しています。
鉛製給水管の水質検査につきましては、水道部浄水室水質グループ(電話06-6384-1250)へご相談ください。
今後とも、市民のみなさまには安心安全な水道水が供給できるように、水質監視と水質管理体制の強化に努めてまいります。
PDFファイルをご覧いただくには、「Adobe Acrobat Reader(R)」が必要です。お持ちでない方はアドビ社のサイト(外部リンク)からダウンロード(無料)してください。
このページに関するお問い合わせ
水道部 浄水室
〒564-8551 大阪府吹田市南吹田3丁目3番60号
電話番号:
【施設・浄水グループ】 06-6384-1259
【水質グループ】 06-6384-1250
ファクス番号:
【施設・浄水グループ】06-6384-9630
【水質グループ】06-6384-1273
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。