市長コラム「こもれび通り」

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令和7年12月号

世渡り

 「世渡り上手」という言葉。下心ある要領の良さや、あからさまにご機嫌取りをする人に対しては、皮肉を込めて使いますね。
 「世渡り」の技はいつの時代も不変です。権力者の感情を害さないよう、真っ向から反論しない、プライドを傷付けない、ご機嫌を取るといった、気に入られるためのゴマスリや配慮です。
 中堅職員だった頃の話です。「後藤君、この企画はすばらしい。ただ、実施は来年度にしてくれるか」と、部長に呼び出されました。「え?なんでですか?このタイミングを逃すべきじゃありません」と反論。部長は不機嫌そうに「まぁ、いろいろあるねん」と言葉を濁します。「先延ばしにする理由が分かりません」と食い下がる私に「キミが納得せんでもええねん。今年度で退職するワシにややこしい話を持って来るな、って言うことや!」と言って、部長は企画書を裏返しました。
 「相変わらず世渡りが下手やな。仕方ないですね、って言うといたらええねん」と、別の上司から諭されました。こんな部長、そして世渡り上手な管理職にはなるまい、そう心に決めた、世渡り下手な私の忘れられない出来事です。
 その気質は今も同じですが、ハッとさせられた言葉があります。「妥協は前進するための一つの手段だ」。目的を達成するためなら時に妥協も受け入れよ。当時の自分に伝えたい言葉です。

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