市長コラム「こもれび通り」
ページ番号1018790
令和6年5月号
放っておけない
「市長、今後本市に対して『すみません』と言うのは禁止ですよ」「ありがとうございます。遠いところお越しいただいて本当にすみません。あ、すみません!(笑)」
これは、復旧のめどが立つまで微力ながら支援し続けます、とお伝えした際の石川県輪島市役所でのやり取りです。市は、4月3日に輪島市と復旧支援協定を結びました。発災から3か月がたったにもかかわらず、訪れた能登半島は依然として発災直後かと思わせるような状態でした。
本市は、発災3日後に輪島市役所に災害マネジメントの専門職員2人を送り込み、災害対応体制の立ち上げを支援してきました。今は、被災地の行政機能を支えるため、全国各地の自治体から多くの応援職員が派遣されていますが、おそらく半年後には、その人数は報道の頻度とともに大きく減少するでしょう。年月が経過した東日本大震災の被災地で「次第に忘れられつつあるなぁ」とつぶやいていた住民の声が忘れられません。
中核市自治体として、また、人としてその気持ちを放っておけない、輪島市に押しかけた本意はそこにあります。ともすればライバル関係となる自治体同士が利他的な連携関係を築くことは容易ではありません。平素から困ったときはお互いさま、という心で支え合いたい。そこに「すみません」は要りません。末長いお付き合いの始まりです。
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