国循のおいしい減塩食“かるしお”の手法を小学校給食のメニューに導入(2022年12月16日提供)

ページ番号1025284 更新日 2023年5月31日

問合せ先
健康医療部 健康まちづくり室(電話:06-6384-2614)
学校教育部 保健給食室(電話:06-6155-8153)

 

1 学校給食を活用した子供の適切な食塩摂取をめざした「グルメな減塩!かるしお大作戦」

(1)事業開始の背景

学齢期は味覚を形成する重要な時期です。子供の頃に濃い味に慣れてしまうと、大人になってから薄味を受け入れることが難しくなります。そのため、子供の頃から適切な食塩の摂取を意識した食生活を身につけることで、生活習慣病予防と健康寿命の延伸につなげます。令和3年2月の学校給食摂取基準の改正により、学校給食の食塩相当量の目標値が引き下げられ、減塩を意識した給食の提供が求められています。

(2)吹田市と国立循環器病研究センター「かるしお」の共同研究開始

吹田市と国立循環器病研究センター(大阪府吹田市、理事長:大津欣也、略称:国循)は、令和4年度から共同研究として「グルメな減塩!かるしお大作戦」を開始し、令和5年1月17日、共同開発した小学校給食を初めて提供します。現在は吹田市立小学校の給食に含まれる食塩相当量は月平均一食当たり2.3gですが、おいしさや調理面から研究を重ね、最終的に2g未満にすることが目標です。学校給食を通して子供たちに適切な食塩摂取のための食育を実施するだけでなく、親世代にもコラムや動画を通じて啓発を行い、その効果を検証していきます。

 

2 給食提供について

(1)開始時期

令和5年1月分から
提供初日は1月17日(火曜)※1月は5献立、2月は6献立を組み込み提供。以降献立数を順次増やしていく方針。

(2)実施校

吹田市立小学校全36校

(3)献立の例

1月17日(火曜)の献立 (※印:かるしお手法を用いたアレンジ献立)
 ①コッペパン ②牛乳 ③ビーフンスープ ④※春菊とさつまいもの天ぷら(食塩相当量 0.2g→0.0g)⑤チョコレートスプレッド
【アレンジポイント】味付けの食塩をなくし「かつお節」に変えました。かつお節の旨味が引き立ち、食塩なしでもおいしく仕上がりました。

(4)減塩調理法の例

・だし汁(かつお・削り節・昆布など)や食塩無添加のブイヨンを使って旨味を追加
(例)煮魚の煮汁を水からだし汁に変更する

・酸味(酢・柑橘類)や甘味を足して、塩の味付けに頼らない
(例)煮魚にゆず果汁などを追加

・香味野菜や香辛料で、香りを追加して味に深みを出す
(例)にんにくを炒めて香りを追加した、野菜スープ

・炒めて香ばしさを出す、煮含めて味をしっかり素材に入れるなど、調理の工夫
(例)だし汁を入れた調味液で鶏肉を炊いて味をつけてから炊き上げる、ひじきの煮物

・見た目にもおいしそうな「彩り」や「盛り付け方」で食欲や満足感を得られる工夫
(例)揚げたり焼いたり蒸した「魚」「肉」「豆腐」などに、野菜あんをかける

3 かるしおとは

かるしおとは、国循が推奨する「塩をかるく使っておいしさを引き出す」減塩の新しい考え方です。国循では、食事も循環器病の予防や治療の一環と考え、栄養バランスを兼ね備えつつ食塩を控えたおいしい病院食を提供し好評を得てきました。退院後もおいしく減塩生活を送れるように、国循弁当の販売や減塩レシピの書籍化、料理教室の開催などの活動を重ねた結果、それらを通じて、「かるしお」の考え方が生まれました。「かるしお」には塩を少なくしてだしをきかせるなど、おいしく減塩するために京料理の技法も活かされています。

4 担当者コメント

  • 国立循環器病研究センター 社会実装推進室上級研究員

「食塩の摂取量を減らすことが健康寿命を伸ばすために重要な因子であると言われています。国循では単に減塩するだけでなく、素材の味を引き出すためにだしを使ったり、彩りを加えたり、様々な工夫を取り入れることで入院患者が笑顔になれる食事づくりを心がけてきました。今回、病院から生まれたおいしい減塩食『かるしお』が学校給食に取り入れられ、学齢期からの適切な食塩摂取の大切さが浸透し、児童の皆さんがかるしおを通じで健康で心も豊かになれることを期待しています。」

  • 吹田市教育委員会 学校教育部保健給食室

「学校給食の摂取基準が改訂になり、食塩を減らした給食の提供が求められていますが、数字上の塩を減らすのではなく、自然に減塩ができて児童が全部食べてくれるおいしい給食の提供ができればと思っています。しっかりとだしをとる、調理方法を見直すなど、塩を少なくしても、旨味が増し、おいしさを引き出せるように工夫を行っています。」


 

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