令和元年11月号市報すいた 市長コラム「そやな」

先日、金婚夫婦のお祝いの席で、良い言葉を教わりました。「夫婦円満、それを発展、拡張させて世の中を融和させる究極の言葉はただ一つ、『そやな』である」（田辺聖子さんのエッセイ）

責められたり誤りを指摘されたりすると「いや、それは」と反論したくなります。また、人生経験を積むにつれ、その反論の根拠は（正しいかどうかは別にして）、自分の中でゆるぎないものになり、断固として譲らなくなる人も見られます。

若狭町のウォーキングイベントでは、5kmを歩く99歳の女性に出会いました。周りの参加者と交わす笑顔は実に柔らかで、その表情は「そやな」の日々が生んだ美しい年輪に違いない、とその健脚ぶりとともに強く印象に残りました。

わくわくできる「する事」を持ち、「会う人」との縁を長く保ち続ける秘訣、それが「そやな」なのでしょう。自身の頑固さを心に留め、よほどの問題でなければ、まずは笑顔で「そやな」と相手の気持ちを受け入れること。それが人間関係を保ち、人としての美しさも醸し出す。柔らかくも実に厳しい教えです。

えっ？「もっともっとがんばらなアカンで！」って。「そっ、そやなぁ…」

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