平成28年7月号市報すいた 市長コラム「やんちゃ」

「今でこそ真面目に働いてるけど、あの子は昔、やんちゃしてた」という話を以前はよく耳にしました。この「やんちゃ」という表現、最近は聞くことが少なくなりました。

若さゆえに有り余るエネルギーの発散方向を誤り、知識や経験の不足から社会のルールを逸脱して時には警察のやっかいにもなる。それを「やんちゃ」と表現しました。この響き、どこか愛情がこもっていると思いませんか。

近頃は「まぁええやん」が減り、減点法で人を評価する傾向が強くなってきた結果、一度失敗すると社会にカムバックしにくい、許容力の低い社会になっている、と感じます。

罪を償い、真人間（古い表現ですね）として堅実に人生を歩もうとする人を、地域の力で支えていく「更生保護」という取り組みがあります。その中心となって活動されているのが地域の保護司をはじめとする更生保護ボランティアの方々です。昔はやんちゃしてたけど、保護司さんたちのおかげで今の自分がある」という人は少なからずいます。今回は、更生保護の活動を通じて、皆さんの見えないところで社会を支えている人たちがおられる、ということをお知らせしたかったのです。