表紙 障がい者児のための防災ハンドブック(イラスト2か所あり 中段右に災害5段階の警戒レベル表あり) 吹田市地域自立支援協議会 当事者会 このハンドブックは、防災について学び、考えたことを当事者の皆さんに知ってもらうために吹田市地域自立支援協議会 当事者会 が作成したものです。 令和7年4月 2025初版 当事者会ホームページはこちらから⇒QRコード 1ページ(イラスト15か所あり) 障がいと防災 〇災害が起こったとき、わたしたちは… 地震 ? 火災 ? 風水害 ? 雪害 ? 想定外 障がい者児は、災害が発生した場合には情報把握や避難、生活手段の確保などの活動が円滑かつ迅速に行いにくい立場に置かれています。また災害発生から復興するまでの間、社会的な支援やこれまで利用していた支援は限定されてしまうおそれがあります。 これら障がい者が取り残されてしまわないよう災害に備え準備をしておきましょう。 〇普段から必要なもの、生活に欠かせないものとは 〜常に日頃から気を付けておこう!〜 「自分の命は自分で守る」 1.災害発生時の安全確保 ※身の回り(家具の倒壊、玄関までの経路)の安全チェック 例:部屋の安全を確保する、家具転倒・落下・移動防止、ガラスの飛散防止など 2.避難する場所とその避難方法 ※家から避難所までのルートを確認 例:事前に、家族の方、近隣の方と防災訓練を通じて。安否確認方法を決めておく 3.避難所での生活、介助等生活における最低限必要な物の確保 ※普段から近所の人と顔なじみになっておきましょう。備蓄品のチェック 例:非常持ち出し品を準備、薬の準備5日分(入手困難な場合があります) 〇災害に備えた備蓄において気を付けること(非常用持出用品と備蓄品の用意) 災害が起こったときにすぐに必要となる物を非常用持出袋に詰めて用意しておく。 家庭では備蓄品を備えておきます。障がいや病気の介護に使うものは必ず必要です。●飲料水は1日3リットル×家族分を目安に、食料品は5日分を目標に備蓄する ●一年に数回は、非常用持出用品・備蓄品のチェックを行う ●非常用持出用品はすぐに持ち出せるようにしておく ●夜間に地震が起きたときやSOSを発信できる呼笛や懐中電灯などの準備をする 2ページ(イラスト20か所あり) 災害に備えてできること 自助 自分でまもる 〇災害時に必要なもの、不足するものとは…(障がいに応じた対応) 障がいに応じて準備をしておくものや、災害が起きた時の行動はさまざまです。他の障がいのことも参考に自分に合った対応を考えてみましょう。また、どのような支援が必要なのか、災害弱者ということを関係者に知ってもらうことが重要です。大規模な災害だけでなく、近隣の火事による延焼からの支援にも役立ちます。 視覚障がいのある方 [非常用持出品や備蓄品] ◆眼鏡 ◆白杖(折りたたみ式など) ◆時計(音声、触知式など) ◆点字板 ◆メモ用録音機 ◆緊急時の連絡先の点字メモ ◆携帯式ラジオ(カード式など) ◆薬 など [日頃から] 近所の人とコミュニケーションをとり、情報収集の支援や避難所誘導など災害時の援助をお願いしておく。白杖には、暗闇でもわかるように発光シールなどを貼り、地震などで被害を受けないような場所に置きましょう。 [発災時] 付近の人に声をかけて、周囲の状況や情報を教えてもらう。 情報を得られる適切な機関や安全な場所へ誘導をお願いする。 電熱器やガス器具、ストーブなどの火気や安全を、家族や近所の人を呼んで確認してもらう。 聴覚障がい ・言語障がいのある方 [非常用持出品や備蓄品] ◆予備の補聴器 ◆携帯用会話補助装置 ◆バッテリー(電池等など) ◆防災バンダナ  ◆筆談用具(ホワイトボードやメッセージカードなど) ◆助けを求めるための笛やブザー(常に携帯) ◆「緊急会話カード」(事前に作成しておきましょう) など [日頃から] 家族、近所の人などに、筆談などでコミュニケーションの方法を知ってもらい正しい情報を伝えてもらうようにする。紙とペンなどを、常に筆談に備えて身近においておく。 [発災時] 外出中に災害が発生した場合は、まわりの人に状況を教えてもらい安全な場所へ誘導してもらう。 3ページ(イラスト26所あり) 災害に備えてできること 自助 自分でまもる 〇災害時に必要なもの、不足するものとは…(障がいに応じた対応) 肢体に障がいのある方 [非常用持出品や備蓄品] ◆予備の車イスや歩行補助具 ◆予備のバッテリーや充電器 ◆車いすパンク修理セット ◆おぶいひも、担架や毛布など (個人でも備えておくと、避難支援が受けやすい) ◆予備の補装具(古くなったものなど) ◆床ずれ対策ができるもの ◆携帯トイレなど自分に合った排泄処理用具 など [日頃から] 補助具[車いす等]など避難時に必要なものの手入れをし緊急時にすぐ使えるところに置いておく。 避難場所や避難路を確認しておく。 近所の方などに援助の手助けを頼んでおく。 [発災時] 正しい情報を得て、帰宅経路の状況などを把握し行動する。 必要に応じて付近にいる人に援助を求める。 知的障がいのある方 [非常用持出品や備蓄品] ◆続けて飲まなければならない薬や、その薬のことがわかるお薬手帳や説明が書いてある紙 ◆いつも使っているもの(おもちゃ、本、音楽、時計など)やヘルプカード など [日頃から] 災害時に必要なものをすぐ持ち出せるようにしておく。 家族以外の緊急連絡先を見つけておく。 状況に応じて近隣住民の方に助けてもらえるよう日頃から交流を図るようにする。 [発災時] 通学通勤等しているときに災害にあったら、ひとりで悩まないで駅員や周囲の人にまず相談する。 うまく話せないときには手帳を見せるようにする。 4ページ(イラスト20か所あり) 災害に備えてできること 自助 自分でまもる 〇 災害時に必要なもの、不足するものとは…(障がいに応じた対応) 自閉症のある方 [非常用持出品や備蓄品] ◆いつも使っている薬、懐中電灯、ラジオ、電池、自分の好きな飲み物、お菓子 など  ◆自分のことを紹介するカード、コミュニケーションをとるための文字や絵や写真などのカード、筆記用具 など ◆いつも使っているタオル、イヤーマフ、イヤホン、好きな本、時計、電源がなくても楽しめるゲームやおもちゃ など [日頃から] 自分の無事や居場所を確認する方法を、家族、学校、施設、職場などで相談しておきましょう。 非常持出し品のチェックをし、避難先でも自分が落ち着く環境を作れるように非常持ち出し袋に必要なものを準備しましょう。 周囲の人に支援を求めるヘルプカードなどを作成して持ち歩きましょう。 日ごろから、地域の中で自分の存在を知ってもらうことが重要です。 [発災時] まずは落ち着きましょう。頑丈な机の下にもぐる、逃げる時には頭を守るものをのせるなどして、危険から身を守りましょう。人を呼びましょう。安全なところに連れて行ってもらいましょう。 ヘルプカードなどを見せて、手伝ってほしいことを人に伝えましょう。 発達障がいのある方(子どもを持つ家族含む) [非常用持出品や備蓄品] ◆薬や処方箋、特に継続して飲む必要がある薬は多めに ◆食べられる非常食やふりかけなど ◆スケッチブックやノート、ペン、本、携帯音楽プレーヤー、ゲームなど気持ちを安心させるもの ◆サポートブックやヘルプカードなど、自分のことを理解してもらうためのツール [日頃から] 避難先が日常とは違う場所になることを考え[想定し]、日頃の安全グッズを身近に置いておく。 正しい情報を得る手段を日頃から用意し、対処方法を想定しておく。 [発災時] 障がいを周囲に理解してもらえるような簡単な表示(サポートカード)を利用する。 5ページ(イラスト21か所あり) 災害に備えてできること 自助 自分でまもる 〇 災害時に必要なもの、不足するものとは…(障がいに応じた対応) 精神障がいのある方 [非常用持出品や備蓄品] ◆いつも飲んでいる薬 ◆薬の処方箋やお薬手帳、説明文の写し など   [日頃から] かかりつけ医から災害時や通院できない時の対処法をあらかじめ教えてもらっておく。 日頃、服薬している必要な薬のリストを常に持ち歩くようにする。 [発災時] 正しい情報を得るようにし、できるだけ落ち着いて行動するようにしましょう。 混乱して自分で決められない時は、近くの人に支援を頼みましょう。 落ち込みやイライラ、不安、幻覚、妄想などが出たときは、近くの人に自分の心身の状況や生活上の注意事項を伝えて、医療機関などに連絡してもらうようにしましょう。 高次脳機能障がいのある方 [非常用持出品や備蓄品] ◆障がい者手帳、健康保険証、ヘルプカードなどと、お薬手帳または現在の処方箋のコピーをセットにして持っておく ◆薬の予備(3日分程度) ◆ノート・携帯電話、IC レコーダーなどの記録の補助ツール ◆耳栓、アイマスク(周囲の音や人が気になるとき用) ◆余暇時間を過ごすグッズ [日頃から] 災害が発生してから当面は、日ごろ受けている支援やサービスが限定されることが想定されます。 ご自身の状況に合わせ、事前に非常持ち出し品のチェックをし、必要な物を用意しましょう。 周囲の人に支援を求めるヘルプカードなどを持ち歩きましょう。 [発災時] 移動するときにはあわてて動いたりせず、まずは周囲の人に支援を求めましょう。 避難所についたら、ヘルプカードなどを提示し、支援してほしいことを係員に伝えましょう。 いつもと違う環境に対応するために、神経疲労を起こしやすくなっています。 居場所が確保できたら、まずは十分な休息をとりましょう。わからないことがあったり、体調が悪いときはがまんせずに係員に相談しましょう。 6ページ(イラスト23か所あり) 災害に備えてできること 自助 自分でまもる 〇 災害時に必要なもの、不足するものとは…(障がいに応じた対応) 内部障がい ・ 難病のある方【共通事項】 [非常用持出品や備蓄品] ◆中断できない薬や点滴などとその用具 ◆治療食や特別食 ◆日ごろから、疾病に応じて、連絡会などの情報を集めておきましょう。 腎臓に障がいのある方  ◆透析用の常備薬 ◆止血バンド ◆緊急カード など 心臓に障がいのある方  ◆ペースメーカーについて対応してくれる、医療機関や業者の連絡先のメモ など 呼吸器に障がいのある方 ◆アンビューバッグ ◆ネブライザー ◆予備バッテリー ◆手動式吸引器 ◆酸素濃縮器 ◆液体酸素ボンベ ◆携帯用酸素ボトル など ぼうこう・直腸に障がいのある方 ◆ストーマ装具(一か月分程度) ◆ウェットティッシュ ◆ティッシュペーパー ◆剥離剤 ◆消臭スプレー ◆カット用ハサミ ◆廃棄用ビニール袋 ◆導尿に必要な器具(カテーテル)など [日頃から] かかりつけ医から、災害時や、通院できない時の対処法をあらかじめ教えてもらっておく。 緊急時の連絡先や必要な物品を準備しておく。 周囲の人に支援を求める時の為に、自分の透析条件や治療方法や介助方法をわかりやすく記入した「ヘルプカード」を作成し持ち歩きましょう。 [発災時] かかりつけ医から、緊急時に必要な薬や処置について、書いてもらったものを確認し、行動することが想定されます。ご自身の状況に合わせ、事前の準備を十分に行うことが大切です。 非常持ち出し品のチェックをし、必要な物を用意しましょう。 避難先と避難経路を確認しておきましょう。家族との連絡方法や集合場所を確認しましょう。体調が悪いときはがまんせずに係員に相談しましょう。 7ページ(イラスト17か所あり) 災害に備えてできること 災害時の行動 ○ 避難の心得 1. 避難する時はあわてずに行動する。 2. 日頃から2通り以上の逃げ道を確保しておく。(エレベーターは使わない) 3. ラジオや防災行政無線などによる情報を聞く。 4. 避難する時は集団で行動し、単独行動は避け、お互いに協力しあう。 屋内にいるとき 1.しっかりとした柱につかまり身を守る。 2.揺れなどがおさまってから調理器具や暖房器具の火を確実に消す。 3.火が出たら、近所に協力を求め、できれば早く消火する。(炎が天井にとどいたら必ず逃げる) 4.逃げ道を確保する。 5.外に逃げるときは落下物に注意し、落ち着いて行動する。 6.避難するときは、電気のブレーカーやガスの元栓を切る。 屋外にいるとき 1.頑丈なビルに入り身を守る。 2.自動販売機、ブロック塀、ビルの壁際などに近づかない。 3.周囲の人たちに応援を頼む。 8ページ(イラスト5か所あり) 災害時の避難 〇 指定緊急避難場所(広域避難場所)と指定避難所(一時避難場所) 「指定緊急避難場所」について 災害の危険から命を守るために緊急的に避難する場所です。災害発生時は、その災害に対応している指定緊急避難場所へ避難してください。例えば、大地震が起きたときに発生する延焼火災や有毒ガスなどの危険から身を守るための場所です。津波の到達が予想される場合は、津波災害に対応している「指定緊急避難場所」に緊急的に避難します。 「指定緊急避難場所」は以下の災害種別ごとに指定されており、地理院地図では、災害種別ごとに「指定緊急避難場所」を閲覧することができます。 1. 洪水 2. 崖崩れ、土石流及び地滑り 3. 高潮 4. 地震  5. 津波 6. 大規模な火事 7. 内水氾濫 8. 火山現象 「指定緊急避難場所」と「指定避難所」の違いについて ●指定緊急避難場所と指定避難所の指定に際しては、以下の区別やそれぞれの指定基準等に十分留意の上、適切な指定をすること。(ただし、両者を兼ねて指定することも可能) ○ 指定緊急避難場所 災害の危険から命を守るために緊急的に避難する場所。 土砂災害、洪水、津波、地震等の災害種別ごとに指定が行われる。 【指定緊急避難場所のイメージ】図解 対象とする災害に対し、安全な構造である堅牢な建築物 対象とする災害の危険が及ばない、グラウンド・駐車場 ○ 指定避難所 災害が発生した場合に避難をしてきた被災者が一定期間生活するための施設。 災害種別に限らず指定が行われる。 ※災害種別を想定している場合もある 【指定避難所のイメージ】図解 公民館等の公共施設 学校・体育館等の公共施設 上記指定緊急避難場所」と「指定避難所」の違いについて」((内閣府https://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanbasyo.html)を加工して作成) 9ページ(イラスト8か所あり) 災害時の避難 〇 在宅避難とは… 「災害が起きたら避難所に行かなきゃ」そう思っていませんか? 避難所は、地震などで自宅が被災し生活できなくなった場合などに、避難生活を送る場所で、吹田市では「指定避難所」と呼んでいます。 災害が起こった時、指定避難所で生活をすることは選択肢のひとつに過ぎません。 自宅とその周辺の安全が確認できれば、在宅避難を考えてみましょう。 「在宅避難」のメリットは? 〇 住み慣れた家で、家族と普段に近い環境で生活できます! 〇 プライバシーも守れるため、ストレスを軽減できます! 〇 ペットもいつもと同じ環境で、一緒にいられます! 〇 感染症のリスクを減らすことができます! 早く日常生活を取り戻すことにもつながりメリットがたくさんあります! ◎自宅の他にも…(分散避難イラスト説明あり) 車中泊・知人や親戚宅・宿泊施設なども避難所以外の選択肢としてあります。 令和6年1月1日に発生した能登半島地震では、何度も震度5弱以上の余震が発生し、本震では倒壊しなかった家屋が、その余震で倒壊した事例もありました。 在宅避難をしていても、自宅の倒壊などの危険を感じたら、地域防災拠点などに避難してください。 Q.防災情報はどうやって手に入れる? A.災害時、X(旧ツイッター)やLINEには災害関連の「デマ」や「うわさ」が拡散されます。 災害時はテレビ、緊急速報エリアメール、吹田市災害時専用ホームページを確認しましょう。 災害発生時に防災行政無線から放送が流れていたら、よく聞くようにしましょう! 気象庁、消防庁、大阪府、吹田市など信頼できる情報源から情報を集めましょう! 10ページ(イラスト9か所あり) 災害時の避難 〇 福祉避難所とは… 大規模な災害が発生し、自宅などが被害を受け、又は被害を受けるおそれのある方については、応急的に市が指定する小中学校の体育館などの避難所に避難することになります。 福祉避難所とは、このような避難所で生活することが困難な方(※)のために設置される避難所のことです。 なお、福祉避難所は、災害時に必要に応じて開設される二次的な避難所ですので、最初から避難所としての利用はできません。 ※ 高齢者、障がい者、障がい児、妊産婦、乳幼児、病弱者など災害時において何らかの特別な配慮を必要とする方で、介護保険施設や医療機関等に入所・入院するに至らない程度の方を対象としています。 QRコード?吹田市福祉避難所ページへ(自宅から避難所までのイラスト説明あり) 〇 福祉避難所への避難の流れ 1 災害が発生した場合、まず、身の安全確保を最優先とし、市が指定している避難所、津波の場合は津波一時避難施設などの高いところへ避難します。 2 大規模な災害であれば、市が小中学校の体育館などに避難所を開設し、避難者の受け入れを行います。  3 避難所での生活が長期にわたると見込まれる場合、避難者の心身の健康状態や介護などの状況を考慮し、市が福祉避難所の開設が必要と判断すれば、福祉避難所として指定した施設に対して避難者の受け入れを要請します。 4 要請を受けた施設は、避難スペースの確保・スタッフの配置など受け入れ態勢が整った段階で福祉避難所として開設され、市が決定した避難対象者の受け入れを開始します。 5 避難所から福祉避難所への移送は、家族又は支援者になります。家族又は支援者が見つからず避難所による移送が困難な場合には、移送の手段を講じるよう要請します。 11ページ(イラスト19か所あり) 地域との繋がりづくり〜みんなで取り組む防災〜 〇私たちが感じた想い 1 自分たちの地域の自治会の防災対策、取り組みを知ることが必要 2 近隣住民や民生児童委員との繋がり作りのために日頃から挨拶やコミュニケーションを重ねることが大切 3 敬老会、こども会、自治会などの地域の活動に自ら参加し、自分の状況を知ってもらうことが繋がりづくりに必要 4 自分たちの居場所を地域の人に知らせるために、世帯の安否を知らせるOKマークを玄関扉に掲示する、AED研修をする等 吹田市地区連合自治会の区域図(ページ右上) 吹田市防災業務無線 屋外拡声器設置場所図(ページ左下) 12ページ(イラスト12か所あり) 地域との繋がりづくり〜みんなで取り組む防災〜 〇 地域の皆さんでできること ◎吹田市の「災害時個別避難計画」にご協力ください。 ◎防災訓練などがある場合は、積極的に参加を呼び掛けてください。 ◎障がいの特性を知って、適切な対応ができるよう備えてください。 ◎近所に障がいのある方がいる場合は、災害時に積極的に声をかけてください。 ◎目の不自由な方が困っていそうなときは、まず「何かお手伝いしましょうか」と声をかけてください。 ◎掲示板のお知らせや新しく入ってきた情報を伝える ◎「気持ち」が何よりも大切な支援です。 積極的に情報を伝えてください。 ◎障がい当事者は 何も情報がないと、とても不安になります。 ◎災害・緊急時の音声のみの情報は、メモにして確実に伝えてください。 ◎障がい者本人が動けず、その家族も見ていなければいけないとき、その家族は救援物資を受け取る列に並ぶことができません。どなたかが代わりに受け取ってください。 ◎救助(介助)するときには相手の望む方法を聞いて本人の希望に合わせてください。 ◎車いすの方など、長時間同じ姿勢でいるとエコノミークラス症候群を起こす可能性があります。周囲の安全を確保しながら、車いすから降ろす支援等を行ってください。 ◎外見などでは障がいがあるかどうかわかりにくく、自力歩行や素早い避難行動が困難な場合があります。病気の程度や障がいの状態によって、必要な支援が大きく異なるため、一人ひとりの状況の把握が必要です。 ◎やさしく話しかけるなど、気持ちを落ち着かせながらの避難誘導をしてください。 ◎知的障がいのある人の中には、環 境の変化を理解できず気持ちが混乱(パニック)したり、状況に合わせた行動ができない人がいます。また、恐怖で動けなくなることもありますので、わかりやすく説明し安全な場所まで誘導してください。 (ページ内イラスト説明:カームダウン・クールダウンスペースで気持ちを落ち着かせています。) 13ページ 当事者の声 コラム集1災害時の不安 「透析患者が震災に思うこと」 当事者会 川口 健 (内部障がい)(イラスト3か所) 私は内部障がい者の透析患者です。透析患者は災害にものすごく弱い障がい者と言えるでしょう。地震で家屋の倒壊を生きのびても病院の水道と電気が止まると透析ができません。透析ができなければ1週間程度で死亡します。さらに避難所で配られる食品では高カリウム血症をおこして心臓マヒをおこして死んでしまいます。私は震災等はおこらない事を祈るばかりです。 「災害時障がい者の避難所生活」 当事者会 島 晃 (肢体不自由)(イラスト4か所) 私は毎年1月17日「阪神淡路大震災」の日に、電動車椅子で神戸市の東遊園地に行き被災者の方々に追悼の祈りを捧げます。その後「人と防災未来センター」で阪神淡路大震災の経験と教訓を学びます。災害時を振り返る映画を見て、災害時の障がい者の方々の不安に心が震えます。大地震で道路は、がれきの山です。 私達、車椅子利用者は避難ができません。更に避難所では障がい者への対応はまだまだ未整備です。 一番困るバリアフリートイレはほとんどありません。今回の能登半島地震の避難所もバリアフリートイレが無く、大きな問題になりました。そもそも避難所の設備も運用も私達障がい者の声を聞いていません。健常者目線です。だからこそ災害時に障がい者が困っています。 吹田市にも私達の声を強く届け、災害時の障がい者対策を求めていきましょう。 「自立共生社会」「いきるをつくる」当事者会 宮原 秀彦(高次脳機能障がい)(イラスト2か所) ● 3分間 空気がなければ死んじゃうよ  ● 3日間 飲水がなければ死んじゃうよ   ● 3週間 食べ物がなければ死んじゃうよ だれも、たすけてくれないかもしれない!自分のいのちは、自分で守ろう。そして発信しよう。 役に立とう!助け合おう!みんなで楽しく幸せに暮らそう。知っている人がいるだけで、すごくホッとする。 「重症児者の避難について」 当事者会 鈴木 祥子 (重症心身障害児・者)(イラスト2か所) 重症心身障がい児者や、その中でも医療の依存度が高い方々は殆ど在宅避難しか考えられない。ベッドで強い揺れが襲ってきたときの恐怖は想像を絶するものがある。ベッドサイドの介護者も自身のことだけでも大変である。共に避難場所への行動を起こすよりも自宅での避難を選ばざるを得ないのが当然である。医療的ケアが必要な方は備品を用意したいが家庭の事情もあり保管できる場所がなく、家具の安全な配置も難しいケースがある。在宅での電源確保等が難しくなってきたり、ヘルパーなどの支援が可能な状況になってきたりすれば、入院機能が備わっている医療機関への移動も考えられる。 日ごろから関わっている医療機関との連携を話し合っておく必要もある。 14ページ 当事者の声 コラム集2災害時の不安 「知的・発達障がい児と被災する不安」 当事者会 岩田 美穂 (親の会)(イラスト1か所) 支援学校に通う子どもは地域との繋がりが薄く、震災で家族とはぐれてしまったら「地域の人に知ってもらえていないから探すのが困難では?」という不安があります。自治会や子ども会などに参加していても、子ども自身についてはなかなか知ってもらえません。また集団で過ごす避難所の生活は、落ち着ける環境でないとパニックを起こしてしまう子どもにとっては難しく、危険があっても自宅や車で生活を送るしかないと覚悟しています。 「手話と情報保障の必要性」当事者会 大江 卓司(聴力障がい者)(イラスト1か所) 吹田市聴言障害者協会で聴力障害者や手話関係者が集い、地域防災手話交流をしました。災害時に避難所に集まっても情報がわかりません。どうしたら伝えられるかわかりません。災害無線も聞こえません。 阪神淡路震災の時は情報がなにもわからず、困った状況でした。大阪北部震災の時は情報伝達などありましたが、支援が不十分でした。常に集まりコミュニケーションしていきながら、地域でみんなで支援しあえるようにつながりを作っていきましょう。 「災害がおこった時に大事だと思うこと」 細田 捷代(肢体不自由)(イラスト2か所) 昔の人の言葉に「地震、雷、火事、親父」というのがありますが、親父は別にし災害に関しては多かれ少なかれ誰もが一生のうちには一度や二度は体験するのではないだろうか? それは障がいがあろうが、なかろうが、容赦なくおそいかかってくる。その時、障がいのない人は自分で何とかできる。でも障がいのある人は一人ではどうすることもできない。 では、どうしたらいい? 周りの人に助けてもらうのが一番。しかしそれをしてもらおとすると、普段からの付き合いが大事だと思う。 災害が起ると誰でも自分のことで精一杯で人のことまで・・・・・・・・・。 それをクリアするのは「普段からのつきあい」だと思う。 障がいがあるからと言って、内にこもるのではなく、積極的に人とかかわり、つきあいの幅を広げておくことが大事だと思う。 「見えにくい障がいについて」 当事者会 小池 泰久(当事者家族)(イラスト2か所) 精神に関わる障害はなかなか見えにくいし、理解しにくい障害です。変わった人だとか、すぐに気分が変わるとか、いろいろな評価があるでしょう。でも、基本的には、一般の人たちの精神のあり方と変わらないのではないでしょうか。人によって怒るのが極端であったり、人に会うのが苦手だったり、話がうまく合わなかったりするのはそのとおりです。しかし、考えてみると、多かれ少なかれ、そんなところは誰にでもあることでしょう。そうしたくないのに、つい怒ってしまったり、どうもあの人とは話が合わないと思ったりしたことはありませんか。 違いをことさら取り立てて怒るよりも、違っていることを理解しながらお付き合いすることの方がずっと生産的で、私たちの幸せにつながるのではないでしょうか。 よりよい関係を築くために。 15ページ(イラスト12か所) 吹田市の防災について 吹田市の防災情報をQRコードで掲載 または「すいたし ぼうさい」検索 QRコードと名称(全部で17コード) 吹田市防災ハンドブック 吹田市防災ブック全編 災害時要援護者登録制度 災害時要援護者避難支援ハンドブック 個別避難計画書 ハザードマップや関連情報(タイトル) 洪水ハザードマップ 吹田市防災マップ 地震への備え 土のうの配付・回収 吹田市避難所情報(タイトル) 指定避難所 地域の避難場所など一覧 各種マニュアル(避難判断/避難所等) ペットに関する災害時の備え 災害に備えて(水道) 吹田市公式X 吹田市公式Istagram 吹田市公式LINE 吹田市危機管理センター 吹田市消防本部公式X 16ページ(イラスト8か所) 防災についてのQ&A 当事者会において、吹田市の防災について知り、学び、話し合ってきました。 Q.災害時に備えどうしたらいいの? 地域での支援体制の整備は? A.災害時要援護者支援名簿に登録しよう! 吹田市には、災害時要援護者の情報を、本人の同意に基づいて、災害時要援護者名簿に登録する制度があります。吹田市との協定を結んだ自主防災組織等に、災害時に援助を必要とする方(災害時要援護者)の支援名簿を提供し、助けが必要な方と援助する方とを結びつける取組を進めています。 災害が発生したときや、災害のおそれがあるときに、災害時要援護者への支援を適切かつスムーズに行えるよう、地域では、要援護者一人ひとりに対し、「だれが」支援して、「どこに」避難するのかを、あらかじめ定めておく必要があります。 また、災害時要援護者名簿の登録と併せて「個別避難計画」を作成しておきましょう。 「個別避難計画」とは避難する際にどのような支援が必要なのかを、あらかじめ自ら確認しておいていただくために、一人一人の状況に合わせて作成する行動計画書です。 注意 避難支援は地域の支え合いに基づき行うものであり、個別避難計画を作成しても被災状況により避難支援を行うことができない場合があります。 17ページ(イラスト4か所) 防災についてのQ&A Q.自分の安否を伝えるためには? A.NTT災害用伝言ダイヤル(171)と災害用伝言板(web171)があります。 (NTT災害用伝言ダイヤル(171)と災害用伝言板(web171)とをイラスト図式で説明表記) ? 伝言内容のイメージ? チェック名前 「父の○○です」 チェック現在地 「いま避難所の○○小学校にいます」 チェック誰と一緒か 「母さんと姉と一緒に避難しています」 チェック安否「全員無事です」 災害用伝言ダイヤル(171) 録音方法 171をダイヤル1を入力→被災者の電話番号を入力→1で録音開始 9で終了 録音方法 171をダイヤル2を入力→被災者の電話番号を入力→1で再生開始・再生後録音は3 災害用伝言板(web171) 1.災害用伝言板(web171)https://www.web171.jpへアクセス 2.連絡をとりたい人の電話番号を入力 3.伝言を登録・確認(事前設定で閲覧者限定も可) この他にもSNSやLINE・電話・FAXなどの連絡方法があります。 普段から家族内であなたにあった連絡方法や避難場所の確認などを決めておきましょう。 18ページ(イラスト2か所) 吹田市版救急・防災情報シートヘルプカード あなたの支援が必要です 書いた日 年 月 日 更新日 年 月 日 更新日 年 月 日 「私にはこんな特性(特徴)があります」「こんな配慮があると助かります」 障がい名  種 級 知ってほしいこと・助けてほしいこと 詳細情報の保管場所 @ A わたしの情報 【名前】     【生年月日】 年 月 日 【血液型】 型 【住んでいる所】 【連絡先】 @ A かかりつけの病院や薬のこと 【病院】    (? - - ) 【主治医の名前】 【受診科】  【かかったことのある病気・飲んでいる薬】 【病歴】 薬 朝 昼 夕 そのほか注意してほしいこと 裏表紙 上部イラスト (能登半島地震被害写真、これまでの主な地震歴) 北海道南西沖地震(1993)M7.8 北海道南西沖地震(2018)M6.7 北海道釧路沖地震(1993)M7.1 岩手・宮城内陸地震(2008)M7.2 東日本大震災(2011)M9.0 関東大震災(1923)M7.9 阪神淡路大震災(1995)M7.3 南海地震(1946)M8.0 熊本地震(2016)M7.3 芸予地震(2001)M6.7 鳥取県西部地震(2000)M7.3 能登半島地震(2024)M7.6 新潟中越地震(2004)M6.8 すいたの防災まちづくり イラスト(地球の周りを手をつないだ多様な人々が囲っている) 発行:吹田市地域自立支援協議会 当事者会 (事務局:吹田市 福祉部 障がい福祉室) 作成・構成・編集 当事者会会長 福西 義信 すいたんイラスト お問い合わせ 吹田市役所 福祉部 障がい福祉室・基幹相談支援センター 〒564-8550 大阪府吹田市泉町1 丁目3 番40 号 電話:06-6384-1348 FAX:06-6385-1031 電子メール:kikan-shogai@city.suita.osaka.jp この冊子は300部作成し、1部当たりの単価は200円です。 吹田市 障がい福祉室⇒QRコード 当事者会の活動について⇒QRコード