吹田市地域医療推進市民シンポジウム


吹田市地域医療推進市民シンポジウムについて

吹田市では、医療機能の分化・連携を踏まえた適切な受診行動の推奨や、かかりつけ医・かかりつけ歯科医・かかりつけ薬局の定着促進、また在宅医療の理解促進を目的としたシンポジウムを開催いたしました。


シンポジウム開催概要

テーマ:「知ろう!考えよう!病院のかかり方から在宅医療まで」
日時:平成30年2月3日(土)13:00~15:45
場所:吹田市立勤労者会館(吹田市昭和町12-1)
内容:基調講演、シンポジウム(パネルディスカッション)
参加者:210名



1 基調講演「地域医療構想・医療計画が求められているのは何故か」ー今 日本が直面する危機-

講演者:今村 知明氏(奈良県立医科大学 公衆衛生学講座教授)


基調講演では、団塊の世代が75歳以上になる「2025年問題」、今後の人口構造を踏まえた医療の提供体制や、地域包括ケアシステムと医療計画の関係、そして地域住民の正しい理解が重要であることなどについてお話しいただきました。


講演資料:「地域医療構想・医療計画が求められているのは何故か」-今 日本が直面する危機- (PDFファイル; 10631KB)


(基調講演の様子)今村 知明教授

基調講演の様子

基調講演概要 (PDFファイル; 141KB)



2 吹田市の医療資源の現状及び市の取組

報告者:石田 就平(吹田市理事(地域医療・保健施策担当))


吹田市からは、本市の今後の人口推移、高齢者人口の推移をはじめ、市内にある病院の機能一覧や、今後の在宅医療需要の見込み、現在市が取り組んでいることなどについて報告しました。


報告資料:吹田市の医療資源の現状及び市の取組 (PDFファイル; 734KB)


<報告概要>

  • 本市の人口推移は、全国と同じような傾向にあり、2030年頃から人口減少が始まる。
  • 75歳以上人口は2015年では約4万人だが、2025年には約6万人になる見込み。
  • 市内の病院は、それぞれ高度急性期・急性期・回復期・慢性期の機能を持っている。
  • 本市の在宅医療需要は2025年には現在の約1.7倍必要になると見込まれている。
  • これに対応するために本市では、吹田市三師会や医療関係者と協力し、対策について検討している。
  • 今後も市民の皆様への分かりやすい情報提供や、医療施策の推進に努める。


3 市長挨拶

当日は後藤市長も参加し、

  • 本市は医療資源に恵まれているが、医療資源は限りがあるものであり、適切な受診行動が重要。
  • 健康・医療の取組の一つとして、タバコ対策にも取り組み、スモークフリーシティを目指していく。
  • 今後さらに本市の健康・医療関係の分野の充実を図っていきたい。

など、本市の保健医療政策について説明しました。



4 シンポジウム(パネルディスカッション)


コーディネーター

谷口 隆氏(大阪府吹田保健所長)


パネリスト

戸川 雅樹氏(吹田市医師会理事)

岡本 吉宏氏(吹田市歯科医師会常務理事)

大森 万峰子氏(吹田市薬剤師会副会長)

長束 一行氏(国立循環器病研究センター診療支援部長)

戎井 力氏(市立吹田市民病院副院長)

浅津 民夫氏(協和会病院副院長)

新田 美和子氏(吹田市医師会立訪問看護ステーション管理者)


大阪府吹田保健所の谷口所長にコーディネーターを務めていただき、吹田市内の医療関係者の方々をパネリストに迎えて、

「病院の機能と役割分担」「在宅を支える医療体制」をテーマにパネルディスカッションを行いました。


(1)病院の機能と役割分担 資料 (PDFファイル; 2874KB)

(2)在宅を支える医療体制 資料 (PDFファイル; 6295KB)


(シンポジウム(パネルディスカッション)の様子)

パネルディスカッションの様子


(病院の機能と役割分担)

パネルディスカッション(病院の機能と役割分担)

<ディスカッション概要>

  • これまでは、一つの病院に長期間入院し、元気になれば退院をしていたが、最近は病院機能が細分化され、患者は状態に応じた機能を持つ病院に転院する流れとなっている。
  • 例えば、回復期では専門病院で早期に集中的なリハビリを受けたほうが良くなる。
  • また、かかりつけ医をもつことは非常に重要。かかりつけ医は、これまでの病歴を踏まえた包括的な診療を行い、必要時には専門医療機関への紹介を行う。そのほか、病院と連携した外来診療や、通院が困難な場合には在宅医療(訪問診療など)を行う。
  • 不適切な受診行動は、医療機関に過度な負担をかけ、医療提供体制の崩壊や医療費の増大につながる。
  • それぞれの医療機関の役割の違いを理解し、身近な診療所にかかりつけ医をもつなど、適切な受診をお願いしたい。


(在宅を支える医療体制)

パネルディスカッション(在宅療養を支える医療体制)

<ディスカッション概要>

  • 在宅でかかりつけ医が果たす役割は、患者の自宅を訪問し診療すること、医療・介護関係の多職種と連携すること、状態によっては専門医の紹介や入院医療機関との調整を行う。訪問は状態により異なるが、月2回程度。緊急時には訪問看護ステーションやケアマネジャー等と連携し対応する。
  • かかりつけ歯科医は、例えば病院からの退院後などで歯科診療所に通院できない場合でも訪問歯科診療を行う。吹田市には訪問歯科診療をしている歯科診療所が全体の2割程度あり、入れ歯、むし歯、歯周病の治療に対応している。痛みが無い場合、飲み込みや歯磨きがしにくくなったときでも訪問歯科診療を依頼することができる。
  • 薬局(薬剤師)は、残薬の確認や、薬の効果・副作用の観点からの体調チェックを行う。また、薬の飲み残しや、飲み誤りの防止方法などを一緒に考えていく。かかりつけ薬局を決め、お薬手帳を活用していただきたい。
  • 訪問看護ステーションは医師と患者の橋渡しとして、健康状態の観察、床ずれの予防・処置、リハビリなど多くのことを担っている。在宅医療を支える訪問看護ステーションは吹田市内に41か所あるため、是非活用していただきたい。



5 質疑応答


Q.私の住む地区には開業医の先生が少なく、訪問診療をしてくださる先生もほとんどいません。隣市の先生にお願いをしている現状ですが、今後在宅診療をしてくださる先生は増やす方向ですか。


A.吹田市医師会では、地域の診療所の医師を対象とした在宅医療に関する研修会などを開催しています。また、同時に診療所医師が在宅医療に取組みやすい環境づくりの構築も必要と考え、市内の病院や行政と連携しているところです。今後とも在宅医療に取り組みたいと考える医師が増えるような取組の実施に努めてまいります。(吹田市医師会理事 戸川雅樹)



Q.循環器疾患のある市民としては、やはり国立循環器病研究センターで診てもらっていると安心という気持ちがあります。それでも診療所の医師をかかりつけ医としたほうがよいでしょうか。もう国立循環器病研究センターでは診てもらえなくなるのでしょうか。


A.基本的には普段の診療や投薬はかかりつけ医にお願いし、高度な診療が必要な場合には、かかりつけ医からの依頼で国立循環器病研究センターを受診していただく方針としています。勿論定期的に検査が必要な方もいらっしゃいますので、その場合は予約を取って定期的に検査を受けていただいています。

 しかし今後ますます循環器系の疾患は、緊急患者さんが増加していくと予想されていますので、安心感だけで大勢の患者さんが当院を受診されますと、緊急対応や入院患者さんへの対応が困難になり、最終的には緊急時に受診が出来なくなってしまいます。現在救急の対応をしている医師は長時間労働となり疲労困憊していて、次々と燃え尽き症候群で救急現場から立ち去っています。

 循環器疾患は発症したときにいかに早く受診していただき、治療できるかが一番重要なポイントです。本当の意味での安心感というのは、いざというときにいつでも受診していただき対応が出来ることで生まれるということを、御理解いただきますようにお願いいたします。(国立循環器病研究センター診療支援部長 長束一行)



Q.訪問看護ステーションのお話しを聞いて、大変心強い支援があることを知りました。でも、在宅療養中は夜間が不安です。夜間にしんどくなった場合に、電話で相談しても良いのでしょうか。


A.訪問看護ステーションには24時間対応可能な訪問看護ステーションもあります。また、在宅療養中の体調不良時は、かかりつけ医と連携して対応をしますので、不安なことがあればかかりつけ医や訪問看護師に御相談ください。(吹田市医師会立訪問看護ステーション管理者 新田美和子)



6 まとめ

 基調講演をしていただいた今村知明教授や、市内の医療関係者の皆様の御協力により、本市として初めて医療に関するシンポジウムを開催することができました。

 今回のシンポジウムでは、定員を大幅に超える数のお申込みをいただき、「医療」に関する皆様の関心の高さを改めて認識しました。また、シンポジウム後のアンケートでは、「これからの病院の在り方が変わってくるのだと分かった。」「今日の講演等、再度あれば友人にもすすめたい。」など、参考になったという意見が大多数でした。一方で、「もう少し具体的な話が聞きたい。」「在宅医療を利用するまでの手続きや、費用の話も知りたい。」というような御意見もいくつか頂戴しましたので、次年度以降の基調講演会等の参考にさせていただきます。


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