合流式下水道緊急改善事業(事業完了しました)

ページ番号1003118  更新日 2022年9月6日

合流式下水道の現状と課題

合流式下水道は、雨天時に管きょや処理場の能力を超える未処理下水(雨水と混ざり合い薄まった汚水や下水管の付着物)が海や川へ直接放流され、放流先での水質悪化や水域における水の利用者に対する公衆衛生上の影響が懸念されています。
平成13年には未処理下水が原因のオイルボール(白色固形物)が海岸に漂着し、新聞やテレビなどのメディアで社会問題として取り上げられました。

下の写真は、海岸に漂着したオイルボール(写真提供:東京都環境局)

写真:オイルボール

写真:海岸に漂着したオイルボール

「合流式下水道緊急改善事業」の創設

イラスト:合流改善事業前の概要図
事業前概略図

平成13年6月に国土交通省より「合流式下水道改善対策検討委員会」が設置され、平成14年度には、「合流式下水道緊急改善事業」が創設され、合流改善に係る財政的な支援を行うことが示されました。そして平成16年4月には、下水道法施行令が改正され、「合流式下水道の構造基準及び雨水の影響が大きい時の放流水の水質の技術上の基準」が新たに規定されました。

改善目標

平成25年度末までに

  1. 汚濁負荷量の削減 : 分流式と比べて同程度以下とする。
  2. 公衆衛生上の安全確保:未処理放流回数を半減とする。
  3. きょう雑物の削減:きょう雑物の流出を極力防止する。

合流式下水道と分流式下水道については、次のページをご覧ください。

吹田市の取り組み

吹田市合流式下水道緊急改善計画の策定

平成16年4月の下水道法施行令の改正を受け、平成17年3月に「吹田市合流式下水道緊急改善計画」の策定を行いました。
策定にあたり学識委員と公募の一般市民委員から構成される「アドバイザー会議」から多くの御意見をいただきました。
なお、緊急改善計画は単独下水処理場を持つ、川面処理区・南吹田処理区の838haを対象に策定しています。
(吹田市の合流式下水道区域は約1,271haで、市域の約35.5%です。)
また、中央処理区の合流式下水道区域である小路処理分区及び岸部処理分区は、大阪府所管の中央水みらいセンターにて事業を行っています。

イラスト:市域における事業範囲図

アドバイザー会議

合流式下水道緊急改善計画の策定にあたり、学識委員と公募の一般市民委員によるアドバイザー会議を開催し、計画の策定について多くの意見をいただきました。
アドバイザー会議は計3回開催し、事務局である下水道部の提案に対して各回とも活発な意見が飛び交う有意義な会議となりました。

写真:会議の様子1

写真:会議の様子2

緊急改善計画の概要

吹田市川面処理区合流式下水道緊急改善計画の概要

市町村名
吹田市
対象区域名
川面処理区
計画対象面積
240ha
整備概要
  1. 汚濁負荷量の削減
    • 簡易水処理施設の運用
      最初沈澱池の晴雨分離運用により、汚濁負荷削減対策を行う。
  2. きょう雑物の削減
    きょう雑物削減に加え、汚濁負荷量の削減、公衆衛生上の安全確保のため、次の対策を行う。
    • 雨水ポンプ場からの堆積物流出削減のため、沈砂池のドライ化を行う。(1箇所)
    • 雨水ポンプ場においては、より高いレベルでのきょう雑物流出削減のため、スクリーンの目幅縮小を実施する。(2箇所)

吹田市南吹田処理区合流式下水道緊急改善計画の概要

市町村名
吹田市
対象区域名
南吹田処理区
計画対象面積
598ha
整備概要
  1. 汚濁負荷量の削減
    • 水処理施設
      雨天時活性汚泥法への運用に向けてステップゲートの電動化を実施する。
  2. きょう雑物の削減
    きょう雑物削減に加え、汚濁負荷量の削減、公衆衛生上の安全確保のため、次の対策を行う。
    • 雨水ポンプ場においては、より高いレベルでのきょう雑物流出削減のため、スクリーンの目幅縮小を実施する。(1箇所)

実施事業の内容

川面下水処理場
スクリーンの目幅縮小、沈砂池のドライ化、最初沈澱池晴雨分離

南吹田下水処理場
スクリーンの目幅縮小、沈砂池のドライ化、雨天時活性汚泥法

緊急改善計画の見直し

合流式下水道緊急改善事業が完了できない
合流式下水道緊急改善事業が平成25年度までに完了できない自治体(吹田市を含む)が、全国で多数出ました。

国土交通省から早期推進の通達
「下水道合流改善事業の効率化に向けた検討から計画内容を見直すことが望ましい場合にあっては、計画を見直し、定められた期間内に改善対策を確実に完了すること」との通達が、国土交通省から平成19年11月にありました。

実施要領の一部改正
「合流式下水道緊急改善事業実施要領」の一部が改正され、「平成19年度より3年間以内に、平成25年度を超えない範囲で緊急改善計画を作成すること」と改正されました。

緊急改善計画の見直し
このようなことから、吹田市では平成21年度に緊急改善計画を見直しました。

見直した緊急改善計画の概要

市町村名
吹田市
対象区域名
吹田市単独公共下水道川面処理区
計画対象面積
240ha
整備概要
  • 雨水貯留施設
    川面処理区の汚濁負荷削減及び未処理放流回数半減のため、3,000立方メートルの雨水貯留を実施する。
  • 遮集管(滞水池送水管渠)
    既存流入管渠から、滞水池への送水管渠を新設する。
市町村名

吹田市

対象区域名
吹田市単独公共下水道南吹田処理区
計画対象面積

598ha

整備概要
  • 雨水貯留施設
    南吹田処理区の汚濁負荷削減及び未処理放流回数半減のため、4,500立方メートルの雨水貯留を実施する。
  • 遮集管(滞水池送水管渠)
    既存流入管渠から、滞水池への送水管渠を新設する。

見直した計画による事業実施の内容

川面下水処理場

雨水貯留施設(3,000立方メートル)及び遮集管を設置しました。

写真:川面下水処理場 雨水滞水池1

写真:川面下水処理場 雨水滞水池2


南吹田下水処理場

雨水貯留施設(4,500立方メートル)及び遮集管を設置しました。

写真:南吹田下水処理場 雨水滞水池写真1

写真:南吹田下水処理場 雨水滞水池写真2

事業後概略図

イラスト:合流改善事業後 概略図

これにより、

  • 対策1:ふせぐ
  • 対策2:ためる
  • 対策3:へらす

の全てが整備され「吹田市合流式下水道緊急改善事業」は完了しました。

事後評価

合流式下水道緊急改善事業が完了したことを受け、雨天時放流水の水質試験等を実施し、市民や学識経験者等の意見をいただき、目標の達成状況を評価(事後評価)しました。

国土交通省に提出した事後評価書(事業評価シート)を以下に掲載しています。

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このページに関するお問い合わせ

下水道部 経営室
〒564-8550 大阪府吹田市泉町1丁目3番40号 (高層棟6階601番窓口)
電話番号:
【庶務】 06-6384-2011
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